切なさの行方     7




「あなたは凄いですね」


暫くたった昼のことだった
サクラは窓から外の景色を見ていたときのことだった


後ろから鬼鮫がサクラに話をかけてきた


「、、えっと、、、鬼鮫さんでよかったんですよね?」
「ええ」

サクラは鬼鮫とは余りあった事はなかった
病院での時と目が覚めた時、その後2、3回ぐらいしか会った事はない




「イタチさんは普段あんな穏やかな顔はしない。私も初めて見ましたよあんな顔」
「、、、、。」
「寝りも浅い人なんですよ。貴女といるときはとても安らいでいるように見えますね。」
「そうですか?」
「そうですよ」

鬼鮫は断言した。

「まっ、イタチさんがあんな顔をするのは貴女の前だけなんでしょうね、、」
鬼鮫は少し笑ってサクラを見た




多分イタチさんとその弟さんもあの娘の穏やかな雰囲気に安らぎを得ているのでしょう
サクラには和みの雰囲気があるのが一目で分かる
うっすらな微笑と毎夜聞こえてくる歌声は鬼鮫にとっても
安らぎの対象となっていた



-----------そうなんだ-----------





サクラは知らず知らずのうちに他人を魅了している事に全く気付かない
それは病院でも同じといえるだろう
毎日唄っていたのが病院でのチョッとした話題になったり
今、イタチと鬼鮫を落ち着かせていたりしている
それだけ、サクラの唄は雰囲気は惹かれるのだろう

























「サクラ、、」
「ハイ。」


「これから出かける、帰りは遅くなる、、。」

イタチがサクラの部屋に入ってきた
もう出かける準備は整っている状態だった





イタチはサクラに近づいて片手を掴んだ


「頼むから逃げないでくれ、、、」


手の甲にキスをした


「ハ、、イ、、」


サクラの顔が赤くなる
イタチの熱っぽい声にサクラの胸が高鳴った
ドキドキ止まらない
何かがずれている
もうサクラには逃げる気はなかったあったらとっくにもう逃げているだろう



イタチはサクラの言葉に嘘はないと悟って出て行った


サクラの心臓はまだ高鳴ったままだった


バルコニーへ出て外の景色を見ることにした。



外は良い天気だった
風が気持ちよくて、もらったタートルネックのノースリーブワンピースがゆらゆら揺れる
何かと服をくれるので、サクラはもらった行為を無駄にしたくなったので

よく、イタチから貰う服を着ていることが多かった





「、、、!!!、、、」









奥のほうに誰か人影が見えた
一瞬だったがあれは、、間違いなく

「暗部だ、、」



でもコチラには気付いていない様子だ、、
結界が張ってあって分からないのだろうか?
それとも、ただ偵察に来ているだけなのか?
サクラはそんなことどうでも良かった







今なら、大声で叫んだら、、助けてもらえるかもしれない








それでもサクラは、声を出そうとはしなかった






サスケ、ナルト、カカシ、、木の葉の仲間の顔が浮かぶ
皆に会いたいでも声が出ない









でも、、、、どうして声が出ないんだろう






「、、どうして、、、」






サクラはベランダの手すりの前に座り込んで少し泣いた














深い森の中
さっきの暗部が仲間と合流した



「見つけた。」
「間違いないのね、、」


仲間が写真を見せる


「ああ、この娘だ間違いない」

その写真に写っていたのは紛れもなくサクラの顔だった








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