切なさの行方   8







その夜、イタチ達は帰ってくるのが遅かった
隠れ家に着いたとたんイタチはサクラのいる部屋に向かって行った
まさかとは思うがサクラがいるか心配になっている
最近よく泣く、寂しそうな顔をする、思い当たることはいくつもあるのだ




部屋に近づくたびイタチは怖くてたまらなかった
もう、いないではないのかと、、、、、、、
でも気配がする
よかった逃げえてはいなかったのだ
イタチは安心してサクラの部屋に入って行った







もう日付がすぎている
サクラはもう寝ていた
目尻が少し赤い


また泣いていたのだろうか?
自分には抱きしめてやることしか出来ない




それしか出来ない
サクラの寂しさを癒してくれるのは自分ではなく弟なのだろう
イタチではないのだ



イタチはサクラの傍に膝を下ろした。
安らかな寝息、、泣きつかれたのだろう
最近は、毎夜泣いてる
泣かれるとイタチはどうしたら良いのか分からなくなる
ただ、、、、、泣いては欲しくなかったサスケに見せていた微笑を
自分にも見せて欲しいのだ
もちろんいつも泣いてるわけではないが、、、


夜は決まって泣いている
どうすることも出来ない




イタチはサクラの顔に自分の顔を近づけた
唇を自分のと合わせる
絡めないあわせるだけのキス
サクラが起きないようにそっと、、、、長く、、、、、、合わせる




不思議とイタチの瞳から涙が出てくる


止まらない
イタチの涙が頬を伝わりサクラの頬に落ちていった
「ん、、、、、、」
サクラは反応を見せたが起きることはなかった






イタチは暫くサクラの手を握って自分の顔へと寄せた
暖かい温もり、、、
自覚はしている自分の気持ち言うことはないだろう



自分をさらって閉じ込めた
そう思われてもよかった思ってくれるのだからどんな形にしろ
それで充分だった





「サクラ、、、」




不器用なところは兄弟ソックリ
不器用すぎて大事なものが伝えられない









(−−−−−−−−−−不器用な人だ−−−−−−−−−−)





鬼鮫は二人の様子が気になって
ドア付近で二人を見守っていた
鬼鮫はイタチが不器用すぎてみていられないというか、、
イタチが心配で、いたたまれなかった




あの少女も然り
昼間はなしたが気になる様子もなかったが
 












自分が見ている中では多分
あの少女もきっとイタチに惹かれ始めているのでは、、、、、
あくまでも、推定に過ぎないが
なぜ逃げなかった?
あの時、イタチに「逃げるな」といわれ頬をそめる必要があるのか?





「二人はまだ、自分達の気持ちに気付いてないもしくは、認めたくないのでしょうね、、」







そう言い残して自分の部屋に帰って行った








その夜、サクラの部屋ではサクラを抱きしめた形で寝ている
イタチの姿があった。





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