切なさの行方 18 サクラは帰ってくるなり部屋に閉じこもった。 親にも挨拶をしないで、夕食も食べずに、ずっとひざを抱え込んで、、。 何であんなことを言ってしまったのかわからなかった。 今度はベットの上にうずくまって考え込んでいた。 「何であんなこといったんだろう、、?」 サスケも酷く困惑していた。 無理もないこっちにもわからないのだから。 あのときのサスケの顔は酷く怖かった。 写輪眼で睨まれて、、まるであの人みたいに、、。 イタチもこんな顔をしていただろうか? (だって、、あの人は、、) そうだ、、あの人は悪い人よ。 抜け忍で、、自分の一族を滅ぼして、、私を、、私を、、、 暗闇に閉じ込めて、、、 ---------デモスグタスケテクレタデショ?----------- 冷たい瞳と怖い顔をして、、、 ---------ウソ?イツモヤサシカッタジャナイ?----------- いつも私に暴力をふるって ---------サイゴノサイゴマデヤサシカッタジャナイ?-------- -----------サクラ----------- 優しい声と微笑む顔 -------頼むから、、逃げないでくれ-------- サクラの手の甲に軽くおでこをのせる仕草 (何コレ?) 頭による優しい思い出 ああ私、膝枕してたんだっけ? あの人、、眠りが浅かったっけ? よく歌ってたわ毎晩イタチさんのために、、。 その後は、腕枕してくれたときもあった。 一回逃げだして閉じ込められたときもあった。 でもすぐ出してくれた。 “すまなかった”って謝ってたね。 私、、言葉と体温の暖かさがすごくホッとした。 そうだ、、プレゼントいっぱいもらった。 服に、アクセサリーに、可愛い小物 きっと、あの覚えの無いパールもあの人の贈り物なんだ。 最後の贈り物、、 ふと、サクラの瞳から涙が出てくる。 あの人は、、、 あの人はすごく優しかったんだ、、。 きっと私にあんな事したのも疑われない為で、、、 結局、あの人は自分の立場を自覚して理解して何も言わなかったんだ、、。 何も見返りを求めないまま、、ずっと、、ずっと、、 私を、、、、 「イタチさん、、。」 イタチのことを想うと涙が出てくる。 気づいてしまった。 思い出してしまった。 もう、戻れない、、。 想うだけで溢れる涙 慈しみながら支配される心地よさ 溶けてしまいそうな甘さ 暖かい人肌の温もり 交じり合う肌の熱さ それを教えてくれたのは、、、、 「イタチさん、、」 貴方なんですね。 ----------1ヵ月後木の葉森の最奥の泉で待っている---------- コレが一番最後の貴方の言葉、、、。 「一ヵ月後、、、」 カレンダーを見る。 木の葉に帰ってから随分経った。 「明日、、?」 明日でちょうど一ヶ月。 でも、、 「私、、、どうしたら、、」 イタチが待っている、行きたい。 でも、それは自分も抜け忍になるということ、、。 それでも、会いたい。 「イタチさん。明日、、何だね、、、。」 今日の夜は静かだった。 サクラは泣きつかれて、、胸が締め付けられてどうにかなりそうな想いではちきれそうだった。 「会いたいよ、、イタチさん、、。」 想いは掟を上回ってしまった。 それでもいい、、、会いたいのだ。 |
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