切なさの行方2 〜風の通り道〜  10







「さて・・・困ったことになったのう・・。」


自来也は暁の情報を集めていた。
自分が得た情報が確かならば、イタチと鬼鮫は暁を抜けるようだった。

そうなると、一緒にいるサクラのことも気がかりだ。


「サクラちゃんさくらちゃんてナルトもうるさいからのう・・。」


もっと真実に進もうと、自来也は足をすすめた。










「どうやら決まりじゃの・・。」


決定事項だ。
イタチと鬼鮫は暁を抜ける。


「サクラも一緒か・・・。こりゃ一回綱手の奴に言ったほうがよさそうだな。」


抜ける移動時間でなんとかサクラを・・・・・と自来也は思った。











「なに?ソレは本当か?」

「ああ、間違いない。」



自来也はすぐに木の葉に戻って綱手のこのことを言った。
綱手は何か考えがあるようだ。


「おい、シズネ。みんなを読んで来い。今すぐだ。」
「わかりました・・・。ナルト君たちは・・・?」

前にもサクラ奪還任務にナルトとサスケはついてきたのだ。
このことを知ったら、勿論二人はついてくるだろう。
だったら初めに言っておいて方がいいだろう。



「あいつらか・・・まぁ仕方ない。ナルトとサスケも連れてきな。」
「はい。」






「なぁ・・・綱手。」
「なんだ?」

「サクラは・・・・自分から木の葉を出たと思うか?」
「・・・高い確率から言って、自分から抜けたという方が正しいだろうな。」


綱手はあまり認めたくはないようだった。
無論それは、自来也も、木の葉にいる皆がそう思っている。
もし、サクラがここへ戻ってきたと仮定して、自分からここを出たといったら・・・・・
サクラはこの先国外任務も許されず、木の葉で飼い殺し状態になるだろう。


「まぁ・・・でもまだ下忍これからの教えでも変わっていく。」
「サクラがワシらと帰ることを拒否したら・・・。」

「それは・・・本当に最悪の事態だな・・。」



自分達の手で、サクラを殺めなければいけなくなる。


「本当はあの二人を連れては行きたくはない。」


自分から抜けた確立が高い以上、自分達の手をサクラが拒むと考えてもいい。



「綱手様。つれてきました。」
「ああ・・・はいりな。」



























「暁を・・・抜ける・・。」

「あぁ・・・もういいんだ。」


サクラはイタチの急な話に驚いたが、順応な正確のためすぐに話を切り返した。

「本当に?」

「ここでは俺も、お前も・・・・狭く暗い空間に閉じ込められてるばかりだからな。忍びをやめる。」
「・・・!!」


それはつまり逃げようといっているのだ。

「・・・鬼鮫も一緒だが・・。」
「そんなのは全然かまわない。」

「でも・・・なんで急に・・。」


「自由になりたい。誰にも邪魔されずに、お前と一緒にいられたら俺はそれでいい・・。」
「イタチさん・・。」
「不自由だったろう。あんな部屋の中を・・。」

「ありがとう。イタチさん。」


「・・・出来るだけ早くここを出る。木の葉がここに来る前に。」


「情報が漏れたらしい。」
「そんな・・。」


不安そうなサクラにイタチはサクラの頭をなでた。

「大丈夫だ。俺と鬼鮫で何とかなる。」
「・・・。」


サクラは木の葉の者に会うのが怖かった。
出来れば何事もなく、平穏な地へ行きたい。そう思った。


「イタチさん一つ聞いていい?」
「なんだ?」

「暁を抜けて・・・私達はどこへ行くの・・・」


「誰もいない場所だ。そこでひっそり暮らせばいい。」
「うん・・。」





























イタチと鬼鮫は嵌めていた指輪を渡した。

「いろいろ世話になったな。」

「・・・うん。さっさといったらどうだ?何か来る。木の葉の連中だと思うが・・・?」


その数は結構多い。
何部隊かきているようだった。

これじゃせっかく暁を抜けても意味がなくなってしまう。


「結構早く来たな。急ごう、鬼鮫・サクラ。」


「はい。」
「そうですね。」




しかし、馴染みのあるサクラの気配はすぐに分かってしまい、仕方なく戦闘態勢に入ってしまった。
イタチはこうなることを初めから、頭に入れていたようだった。

「サクラ、この札を目印にまっすぐいけ。」
「え・・・」

「大丈夫だ。その周りには結界が張ってある。」
「わかった。どこで待ってればいいの?」
「このまま行くと海が見えてくる。その横に洞窟があるはずだ。そこで待ってろ。」
「うん!分かった。」


分かるとサクラも下忍と言えども一端の忍者だ。
素早く行動をとる。
木から木へと飛び移り、順調に進んでいく。


「さて、イタチさんざっと20人はいそうですよ?」
「ふん・・・返り討ちにしてやる。」



















サクラはイタチに言われたとおり、まっすぐ進んでいった。
どうやらイタチはサクラの為にイロイロ準備をしてくれていたようだ。

「・・・やっぱり私足手まといだね。・・・早く行かないと。」

いくら結界があるからっていっても安全ではない。
札があるのを見破られてしまったら意味がない。
そう、破られる前にその場所に行かなくては意味がないのだ。

それなのに・・・一番見つかって欲しくなかった人に見破られたのだ。


「え・・・っと次の距離感覚だとここにあるは・・・・」


「サクラか・・・?」





心臓が飛び出るかと思った。


「サクラだな。お前こんな所で何やってるんだよ?!」
「あ・・・」

「おい!さっさと帰るぞ・・!」

「サスケ君・・。」

そう・・・そこにはサスケがいたのだ。


















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