切なさの行方3 〜まっしろく包んでくれたら何もいらない〜  1







木で出来た家がある。
サクラは部屋を暖めていた。


今の季節は冬、外は雪景色。
見渡す限りの銀世界。
この家の周りには、壮大な自然しかない。
生まれ育ったような、機械も、便利さも・・・・



でもサクラは心が温かかった。
これが愛する人と一緒に居られる幸せなのだろう。
この思いも、幸せもずっと続けばいいのに・・・。




生活は自給自足。
冬は食べ物の調達が困難だ。
秋のうちに沢山、実ったものを保存しておく。
おかげで、無人島に遭難したときは結構、生き残れそうなほど生活レベルは高くなった。
人間て成長するものなんだねと、サクラは笑った。



流石に、保存食だけでは生きていけない。
その時はなんとか遠い村や町まで行って、買ってくる時もある。
窓を見ると雪が降っている。
イタチも鬼鮫もまだ帰ってこない。


イタチと鬼鮫は、街へいっている。
無論、生活必儒品の買い出しだ。


二人のことだから、きっと大丈夫だろうが、遅いとやっぱり心配だ。
帰ってきたらすぐに、温まるスープも作ってある。
このような生活にすっかり慣れてしまったサクラは、節約といものが得意になっていた。


野菜一つも、無駄にしない。
水の有効的な使い方。



まるで結婚して、なんとか遣り繰りをして生計を頑張っている奥さんみたいと
サクラはなんだか嬉しくなった。
普通に結婚していたら、そうなったのかな?と思う。



でも今の生活の方が何倍も幸せだ。
大好きな人との愛のある生活。



ホラ、足音が聞こえてきた。
この息遣いと、この気配。


帰ってきた。


重い扉を開けるとこそには愛するイタチと、二人の理解者の鬼鮫が
沢山の食料と、生活必需品を両手に抱えて帰ってきた。


サクラはなんか嬉しくなった。


「おかえり、イタチさん、鬼鮫さん。」
「只今、サクラ。」
「ただいま戻りました。サクラさん。」

「二人とも、暖かいスープが出来てますよ。体を早くあっためて下さいね。」



サクラは二人分のスープを差し出した。



「あぁ、ありがとうサクラ。寒いからとても温まるよ。」

「おいしいですよ。サクラさん。」


「ありがとう、イタチさん、鬼鮫さん。」



部屋の空気は、もっと明るく、陽だまりのような空気が流れる。





あぁ・・・私はとても幸せだ。



















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一話完結で予定しています。
拍手で連載なので、更新は亀並になるかと・・・・
2の方でも中途半端だったので、ちゃんと終わらせてみようかな・・・なんて

どこまで書いてどこまで終わらせようかとも考えていません。見切り発車万歳
でもラストは決まってますので、気分で終わらせます(笑)
いいのかな・・・そんなんで・・・



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