切なさの行方3 〜真っ白に包んでくれたら何もいらない〜







「あ、この色可愛いかも・・。」


ちょっと好奇心で入ったお店でサクラは好みのアクセサリーを見つけた。
ショーウィンドウでキラキラと光る小物に誘われて入った雑貨屋さん。

中でもっと素敵なものを見つけてしまった。

「・・・お金ないし。・・・そもそもこんな贅沢・・私には敵よ。」


最近ちょっとはお金もたまり、お小遣いみたいなものも持てるようになったサクラだが
自分の為に何か買う事はまだ気が引けた。
ちょっと無理して暫く我慢すれば、買えない事もない。

今までも自分の買い物パターンを振り返りシュミレートして、

「・・・駄目だわ。きっと後悔する。それならこっちのほうが、」

窓の外をみてお買い得の、品物をみつける。
仕方なく店を出て、結局お買い得だった野菜の詰め合わせを買ってしまった。









家につくと、買ってきた品物を並べる。

「もう少しオシャレできても良いのにな。」

わが身一つで乗り込んだイタチとの逃避行。
やっと安息の地へとつけたが、そこは壮大な自然が広がるだけの荒地。
ひっそりと家を建て、少しづつだけど、お金も貯まってきた。
まぁ、殆どがイタチと鬼鮫が稼いできたお金だったが、サクラも少しは手伝える事もあったし
それなりの報酬は貰っている。

「あ〜!!ヤメヤメ!!」


サクラは考え出したらきりが無い!!と頭を切り替えて欲しかったアクセサリーを頭から飛ばした。












「ん・・・・?」


「どうかしました?イタチさん。」


「いや、ちょっと・・。」


鬼鮫はイタチの目線の先を追うと、雑貨が並ぶ店にいった。
無論サクラを女の子が好きそうな小物が並ぶ。

「サクラさんにですか?」


「あぁ・・・ここに来てから、何もなかったからな。」
「入りますか?」
「・・いいのか?」

「はい、サクラさんの喜ぶ顔私も見たいです。」

鬼鮫はイタチの考えている事を優先させて、店へと入る。
そいえば昔もこうやって、サクラにいつもプレゼントしていた。

「・・ん?」

「良いの見つけました?」

イタチはサクラに似合いそうな、ペンダントを手に取ろうとした。

「あ!」

店員が口を挟む。
何故買おうとしている客に、そんな事するのかイタチは不快だった。

「コレがなにか・・・?」


「も・・・申し訳ございません!!その・・さっき」
「「?」」

「女の子がとても欲しそうに見ていて・・・悩んだ末、結局買わずに帰ってしまったんです。」

店員は、その女の子を思って口に出したのか、イタチは納得するとサクラには悪いが他のにようかと
違うものを探そうとした。

「・・・とってもソレが似合いそうだったんです。綺麗な桜色の髪の毛をした女の子だったんです。」

「「!!」」

イタチは口角を上げて店員にラッピングを頼んだ。

「きっと俺があげる子と、貴方が見ていた女の子は同じでしょう。」

とイタチはいって、可愛く包まれた箱を手土産にもってかえる。






家には既にサクラが帰ってた。
お帰りなさいと笑顔を見せてくれると、イタチと鬼鮫の疲れがとぶ。
イタチはサクラに先程買った品物をサクラに渡した。

いかにもプレゼントと言わせる小奇麗にラッピングされた小包。
サクラは何だろうと期待を膨らませて、包装紙を開けてゆく。

「あ!」

それはついさっき帰る時によった、欲しいと思っていたペンダントだった。

「イタチさん・・コレ・・。」
「お前に似合うと思って買ってきた。」


「ありがとう!!」


サクラはとびっきりの笑顔をイタチに向けた。
その表情を見てイタチは買ったよかったと思った。

まだまだ自己投資には苦しい生活だけど、少しずつ少しずつ豊かにしていきたい。

まだ安息の地とは完全にいえないけど、この笑顔を守るためならイタチはどんな険しい道も歩いて行こうと思った。












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イタサク・・・まだまた二人の生活は始まったばかり
これから幸せになろう。今まで傷ついてきた分・・・。



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