切なさの行方3〜〜真っ白に包んでくれたらなにもいらない〜   7






イタチと縁はそれからよく話しこむようになっていた。

縁の人柄のせいでもあるのか、イタチが人に関心を持つのはサクラ以外では初めてだった。
時々初めてあった岩陰で、腰を突いて話しこむ。

縁はいろんなことを話してくれた。
忍術とかじゃなくて、殺し方でもなく、人としてどうあるべきか・・・。
決して説教じみた言葉ではない。ただ縁は人生経験を話しているただそれだけ。
それだけのことなのに、イタチは何かを考えさせられた。

本当に自分は殺戮の中でした生きてこれなかったのだと、改めて思ったのだ。


他人にも興味を見せなく、氷のように心を閉ざしていた。


しかし、サクラと出会ってそれは少しづつ変化はしていった。
初めはただ弟のサスケを、自分の命を省みずにかばった少女に興味をもっただけだ。
幸い、サクラはナルトの弱点でもあり、カカシ班の班員。

木の葉をゆする要素は多様にあった。ただそれだけのことだったのだ。


おとりにして、さっさと人柱力を手に入れて組織の目的を達成させればいいと、そう思ってた。
でもサクラと触れ合っていくうちに、そんな感情はなくなっていたのだ。

もっと傍に居て欲しいと。
笑った顔が見てみたいと・・。



「俺は初めてサクラに会ったとき、酷い事をしました。」

「若い頃は誰しも失敗ばかりじゃ、それがあるから今があるのでは?」

「でも・・・。」

「お前さんは優しいんじゃな。」

「そんなことは・・。」

「ある。もし、仮にお前さんがまだ昔のお前さんじゃったら、ここにはいない。あの、少女とは一緒にいない。」


一緒に居て欲しいから連れて来た。
いつもいつも、サクラに逃げ道を作ってハッキリと解答をしないずるいことをしてきた。
心の中ではついてきて欲しかった。

その言葉がいえなく、何度も遠回りをした。


「・・・俺は、まだサクラに言葉で伝えていない・・。俺は卑怯だ。」

「ならこれから伝えればいいだけのことじゃ。」

「何を今更・・。」


今更どの面を下げてそんな事いえるだろう。


「あの娘は待ってるかも知れんぞ?」

「サクラが・・・・?」


「態度で伝えるのもいいが、言葉で伝えられるのはもっと嬉しいじゃよ。」


思い出した。
あの時、暁から抜け出すときの事を、木の葉の忍びから逃げたときのことを。
この地へ来る前、一度だけ言ったのだ。

”好きだ”と


あの時のサクラは、今まで見た顔の中で一番綺麗な顔をしていた。


あぁ、そうか簡単なことだったか。
イタチはふっと微笑んだ。


「おぬしもやっと気付いたか?」

「ええ。俺は・・・本当にダメですね。」

「いいや、気づけられた方だからいいじゃろ。」

「ありがとうございます。縁さん」

「いいって事よ。」

「そういえば、再来週でしたっけ?落成式。」

「おお!そうじゃった。お前さんたち見に来ておくれよ?」

「俺達お尋ね者ですよ?」

「いいってことよ。ここは忍びとは無縁の地。」

「だから怖いんです。」



人ならざるような能力を異端者と見るような、視線は時々感じているのだから。


「お前さんたちはお前さんじゃろ!胸はって堂々しんしゃい!」

「はぁ・・・。」

「あの娘も喜ぶだろう。」

「確かに・・。」


可愛いもの好きのサクラのことだはしゃぐのは目に見えている。
でも遠慮して、無理にでも連れ出さないとこないだろうか?



「縁さん・・。」

「何じゃ?」

「お願いがあるのですが・・・」

「なんじゃ?畏まって・・。」

「この教会、人の足取りが安定した頃、一日貸切していただきたい。」

「よかろう!わしとおぬしの仲じゃ!」

「ありがとうございます。」

「きっとあの娘よろこぶじゃろうな。」

「そうだといいです。」

「喜ぶにきまっとる!」

「はい。」

自然とサクラの可愛い笑顔が浮かんだ。
このサプライズを守るのには少々困難だ。

だって、顔が少し歪んでしまう。

このことをしったら、サクラ、


君はどんな笑顔を向けてくれるのだろうか?












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最近ベタすぎるオチすぎてなんかメリハリがないな・・・
イタチさんはようやく前進できた?って感じです。










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