もう一つの未来  1







「こら〜楓!紅葉!待ちなさい!!」


廊下でドンドンと煩い足音がする。
サクラは今二人の子供を必死に追いかけていた。
我が子ながら、逃げ足だけは一人前である。


「全く・・・逃げ足だけ速いんだから。」

ナルトの奴!入らぬことを教えるな。
子供達の逃げはナルトの直伝らしい。
少し前に、ナルトが鼻を高くして言っていた。

ナルトに今度あったら打ちのめすとサクラは誓った。


「なんだ?サクラ。」
「あ・・サスケ君。聞いてよ、楓と紅葉ったら・・。」


サクラはサスケに、とあるうちは家に伝わる巻物の悲惨な姿を見せた。
外側も中身も思いっきり落書きがされてある、ところどころ破れている。


「おい・・これ。」
「紅葉と楓が落書きしたのよ。あの子達、やたら最近悪戯が多くて・・。」
「そうか・・。」


見るにも無残な、ありがたい秘伝が伝えられている書。
これでは希少価値もどん底だ。


この年は自我も芽生えて、興味や好奇心を満足させる行動に出る。
楓と紅葉は今第一次成長期の盛りだった。



「もう私じゃ手に負えないわ。サスケ君から言ってやってよ。」
「俺がかぁ?」

サスケはめんどくさそうに声を上げた。
子育てや、人と接する事がやや苦手なサスケは手のかかる
子供なんて相手に出来るわけが無いとサクラに反論した。


「サスケ君の子でしょ?」

「サクラの子でもあるだろ?」

確かに二人の言っていることは正解だ。
二人の子供であるのだから。

「だ・か・ら、こういう時こそうちはの当主、父親のサスケ君から言ったほうがガツンと言ってやって!」


「ち・・・仕方ないな。」

「そうそう、ちゃんと父親の威厳を見せてやってね♪」


サクラの押しにサスケは仕方無いと、楓と紅葉を追いかけた。

サスケが相手なら、二人は付け上がることも無く反省する。
二人にとって、サスケは絶対的な存在なのだから・・。

そう、前に一度二人はサスケを本気で怒らせた事があった。
あの時のサスケのキレっぷりに二人は本気で怖がっていた。


サスケが動いたなら、楓も紅葉も大人しくなるだろう。

自分の子供に躾を施すサスケの姿。
こんな姿もう見れないと思っていた。

「お〜い。サクラ・・・」

「何?サスケ君。」


今日はそれほど叱らなかったみたいだ。
後ろでソワソワしている二人が見えた。


「今からこいつらの修行見るから、ご飯は今日多めにな。」
「分かったわ!腕によりをかけるから!」


愛する人と愛する人の子供。
そんな中にサクラはいる。

サクラは今の幸せをかみ締めながら、台所に向かった。


「さて、今日は豪勢にまいりますか!」






今日のうちは家は今日も平和です。

















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拍手連載していこうと思います。
未来のうちは家シリーズです。←ひねりなし

こういったほのぼの、うちのサイトにはないから・・・
せめて小ネタでもと思って出来た産物。

こちらにちゃんとアップされる時は、少々加筆修正が施されていたり・・・・
夫婦サスサクを書いた事無かったなら、結構楽しかったです。




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