もうひとつの未来  2






紅葉はというか、最近の子供はませているのか?
無性に人の恋話に目ざとい。


「お母さんはどうして、お父さんと結婚したの?」

「え?」


紅葉も”お年頃”というのか、第一次成長期なのである。

「えっと・・。」


サクラはサスケとの恋愛期間を振り返ってみた。
これぞといってあんまり良い思い出はない。


初対面こそ最悪。
二度目は足手まとい発言に、シカトは常に。
やっと仲間として認められたと思ったら、今度は突然の別れ。



・・・思い返してみたら、なんで自分は結ばれたんだろうとサクラは不思議に思った。
下を向けは瞳をキラキラさせて、早くはなしてと主張する娘がいる。



「ね〜お母さん〜。」


サクラは紅葉の目線にあわせて座った。

「長い話になるけどね。お母さん小さい頃からお父さんの事大好きだったのよ。」


嫌われても、嫌われても必死に追いかけて、ようやくサスケは観念してこの手を取ってくれた。
放さないといわんばかりに何でもした。
気持ちの比率は100:0で圧倒的自分の気持ちが強いのだ。
だから、なるべく、なるべくサスケ君の表情を読み取ろうとした。


「でもね、気付いたの。それじゃ意味がないって・・。」
「嫌われないようにするのは当たり前だよ?どうして?」
「それはね、ちゃんと気持ちが通じ合ってないと、駄目なんだって。」

「???」


「紅葉にはまだ早いかな?」

「早くないもん!」


子供扱いされた紅葉は、はぐらかさないでよと話をせがむ。


「ハイハイ。気付いたらね、お母さんお父さんと分かれようとしたの。
 お父さんそのときは暗部にいてね、私も上忍になってやっといたについてきた頃だったわ。
 大丈夫。一人でも大丈夫と思ったのよ。」





”サスケ君、お願いがあるの”
”なんだ?急に・・”
”別れよう・・・。”
”は?”





サスケの顔は今まで見たことがないくらい、顔のパーツが崩れていた。
こんなに表情をしたさすけはを見るのは、むしろ初めてなのではないか?


”何なんだよ!お前はいつもいつも勝手に!!”
”ゴメンね。サスケ君今までつき合わせちゃって・・・迷惑に思ってたの初めからしってたよ”
”な・・・”
”でももう大丈夫。私一人でもちゃんとやっていけるから!”
”サクラ!人の話を聞け!!”
”え?”


サスケは手を出したと思ったら、サクラに無理やり小さな箱を持たせた。

”サスケ君、これ何?”
”お前肝心なところで鈍感すぎるんだよ。今日は何の日だ?”
”やぁね、サスケ君たら、3月28日に決まってるじゃない!”
”・・・・お前な・・・まぁ、いい。サクラ俺は、今までの行動から見て嫌な事に一つでも付き合ったことはあるか?”
”無いわね”
”嫌いなヤツと一緒につるんだことなんてあるか?”
”それも無かったわね”

ここまでいってるのに、少しは気づいて欲しいと言わんばかりに盛大なため息がサスケから出た。

”はぁ・・・いい。サクラそれ開けろ。”
”うん・・・”

サクラは包み紙を開けると、綺麗な箱だった。
なんかとても高そうで、後ろめたかったが思い切って開けてみた。


”え・・・うそ””
”嘘じゃない。”

箱の中身は、指輪だった。
アクアマリンと翡翠が細工された可愛らしいリング。
サクラの誕生石だった。


”これ・・・”
”お前、今日自分が誕生日だってこと忘れてる”
”あ・・・”

”お前・・・何泣いてるんだよ・・。”
”だって・・・だって・・・・”
”ち・・・”








それからすぐサスケの口から、もう一生聞くことの出来ない人生最大のプロポーズの言葉を聴いた。


サクラは嬉しくてまた泣いて、泣くか笑うかどちらかにしろとまたサスケに怒られたのだ。


コレが一番嬉しかった思い出で、結婚のきっかけに・・・
というか、そのまま結婚の申し込みをされたのだから、結婚した。
サスケはちゃんと自分のことを考えていてくれたのだと、嬉しくてそれは今でも鮮明に思い出せる。



「だからね、これからはちゃんと二人で肩を並べていこうと歩いてみようと思ったの。」

「わ〜。」

紅葉は母親の素敵な恋愛談を聞いて、目が輝いている。
いつかきっと自分もこんな素敵な恋をするんだと、内に秘める。




「紅葉・・・恋は簡単に諦めちゃ駄目よ。」
「うん。」


「そして、紅葉、もし将来紅葉に好きな人が出来て、その人が苦しんでいたら・・」


サクラは紅葉をちからいっぱい抱きしめる。


「こうやって支えてあげなさい。」
「うん、お母さん。」

「約束よ。」


また大好きな人に笑顔が戻るように・・・・。




力いっぱい抱きしめて
心から愛してあげなさい。


大好きな人の笑顔が見られる時間が、一番幸せなときなのだから・・・・。














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現在拍手で、父サスケと息子楓の会話をしているので
こちらは、母サクラと娘紅葉でお送りしました。

サスサクの未来が本当にこんなんだったら、私は泣いて喜びます。


本当は次の拍手で書こうとしたのですが、早く書きたくなって書いてしまいました。
本日3月28日はサクラちゃんの誕生日でもあるしソレもかねて・・・
プロポーズをその日の設定にしてみたり。


お誕生日おめでとう!サクラちゃん!!





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