もう一つの未来 3 うちはの敷地は木の葉の4分の一の広さを誇る。 家全体が修行の場になっているのだ。 楓と紅葉は来年からアカデミーに入学が決まっていた。 楓と紅葉は結構小さいころから、サスケに忍道を学んでいた。 うちはの家紋を背負う者として、周りからの重圧に負けないようにだ。 自分にも経験がある、周りの大人の目。 アカデミーの先生の眼差し。 イタチとの差にサスケも、もがいていた。 「ね、お父さんも小さいころからこやって修行してたの?」 「ああ、そうだな・・。目標があってな・・・。」 子供の頃の夢・・・ ”さすがは俺の子だ” その一言が欲しくて無我夢中で頑張った。 でももらえた言葉はいつだって”お兄さんのようになりなさい” サスケの幼年期の家族の溝は深すぎた。 家族に深い溝があると気付いたときには、もう取り返しのつかなくなっていた。 「・・・父さん?」 なにも言ってくれないサスケに、楓はサスケの顔を触れる。 「楓・・・・。お前は目標があるか?」 「うん!あるよ!!」 「そうか・・・。」 楓はにっこりと子供らしい笑顔を見せた。 「父さんののような立派な忍になりたい。」 サスケは楓の言葉に驚いたが、反対に嬉しさもあった。 「そうか・・・・でも、父さんは立派なんかじゃない。」 「え?なんでさ!父さんはうちは一族の当主だろ?木の葉で火影様と同期の火の国の三大忍の一人ジャン。」 楓は、サスケが木の葉で誇りある忍であることがを誇りに思っている。 いつか自分もこんなふうに、伝説になるんだと胸をふくらませて・・。 そんな楓の希望の眼差しは、サスケにとっては少々心苦しかった。 そうなるまでに、己は罪を犯しすぎた・・・・。 サスケは楓の頭を優しくなでた。 「楓・・・父さんは今までいろんな悪いことをしてきた。」 「え?」 「母さんと火影がいなかったらきっと、もう死んでいたかもしれない。」 「え・・?」 「楓・・・俺の人生の経験だ。しっかり覚えておけ。」 「うん・」 「もし、俺やサクラ、紅葉になにかあっても憎しみだけで生きようとするな。 俺達は忍だ何時なにかあってもおかしくない・気持ちを割り切って、自分の幸せを見つけろ。」 「・・父さん?」 その言葉はまだ楓にはよく理解できなかった。 「父さん・・・昔こんな生き方をしていたけど、お前にはそんな生き方をさせたくない。 楓、お前はちゃんとそばにある小さな幸せを見つけて欲しい。」 「うん、わかった。よくわからないけど、僕、幸せでいられるようにするよ。」 「そうか・・・よし楓、男と男の約束だぞ。」 「うん。」 サスケと楓は小指と小指をからませた。 「「嘘、ついたら針千本、のーます。指切った♪。」」 自分のような悲惨な運命を背負わせたくない。 子供が出来て、初めて恩師達の説得の意味がわかった気がする。 本当だ。こんな幼い子供に血塗られた道を歩ませてはならない。 「父さん、早く忍術の修行再開しよう。」 「ああ・・。」 守りたい・・・この笑顔。 サスケはもう同じ道を歩まない。 そして、愛しい子達に茨の道を歩ませない。 -------------------------END------------------------- 愛しい子達にはいつも笑顔で居て欲しい。 なんか偽者サスケって感じ。 サスケが親になったらこう思ってくれたらいいな。 |
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