もう一つの未来 6話




本当に二人っきりはいつぶりだろうか?

ゆっくりご飯を食べ終えて、サクラも風呂に入った。

汗を流し終えると、サスケはもう部屋の中にいた。
上半身は何も着てなく、下は白いラインの入った黒のゆるいパンツだった。

「サクラ、上がったのか?」

「・・・・。」

「なんだよ。」

「なんかその格好・・。」

なんとも形容しがたい格好。
昔のサスケからは、想像が出来ない程着崩れている。
サクラは誤魔化すように笑った。

「・・・・サスケ君。もしかして、する気満々?」

「・・・・・・そうじゃなきゃ、こんな格好しねぇよ。お前だってわかってんだろ?」


サスケはサクラの腕を引っ張り、ベッドに横にさせる。
無論サクラの格好も、普段の寝る姿より若干薄着である。

「お前だって、こんなのだけで人のこと言えないぜ?」

「そうね。そうだったわ。」

「わかればいい・・。」

「さっきの淋しがりのサスケ君はどこに行っちゃったのかしら?・・・ん!!」


サクラの余計な言葉はもう聞きたくないと、喋る口を塞ぐ。
初めは触れるだけのキスから、だんだんと深く濃くなってゆく。

口の中に広がる舌の感触。
蕩ける感覚。

今までずっと禁欲生活をせざるをえなかった為に、サスケの欲は膨れ上がっていた。
誰にも邪魔される事無く、二人で甘い時間をすそす。
サクラが妊娠して以来だった。

がっくつサスケをよそ目にサクラはまた笑い出す。

「なんだよ。サクラ集中しろよ。」

「してるわ。だってサスケ君があまりにそうがっつくからついね。」

「覚えてろよ。すぐにそんな余裕なくさせてやる。」

「わ・・!!」


首に顔を埋めて、息を吹きかける。
勿論手は服を脱がす事も忘れていない。

こうなってしまえば、サクラの負けである。


「あ・・・ん!」


舌で首筋をなぞり、鎖骨の辺りにキスの雨が降り注ぐ。
唇のぬるりとした感触と、舌のザラついた感触がサクラを興奮させるのには十分だった。

「ふぁ・・ん」


腕の中には愛しい人が、自分の愛撫で鳴いている。
なんて心地のいい征服感だろう。

汗ばんだ肌に上気した頬。
見つめられる視線は、艶が含まれていた。


「サクラ・・。」


重なる手。
力の篭った腕と、声。

あぁ、今自分達は一つになっているんだ。

心も体も・・・・。

満たされた気持ちでいっぱいになる。
人肌の温もりを教えてくれたサクラ。


「サスケ君・・・。」

サクラもサスケに答えようと、名前を読んだ。

抱きしめる力が強くなる。
一人ではないと確認できる。


「サスケ君・・。」

「サクラ・・。」


熱の篭る部屋で双方の声が互いに飛び交う。

幸せな圧迫感と、気持ちいい感覚に翻弄されてサクラは目を瞑った。


最後に聞こえたのは、サスケからはめったに聞くことの出来ない愛の言葉だった。



























「只今!!」

「お母さん!タダイマ。」

「お帰り、楓、紅葉。」


数日後、無事に泊りがけ演習から二人の子供が帰ってきた。


「あれ?」

「どうしたの?楓。」

「おかあさん、ちょっと痩せた?」

「え?!」

楓の何気ない一言に、サクラはドキっとした。

「そんなことないわよ。楓。」

「だってお母さん、なんか顔が・・・やつれてない?」

「へ?!!!!??」


原因を知っているだけに、子供になんて誤魔化そうか言い訳がサクラには思いつかなかった。









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もう・・・なんか加筆する気力なんてありませんよ・・・・。







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