もう一つの未来   7






「っぷ・・!!流石サスケ君とサクラの子供ね!」

「もう!いの笑い事じゃないわよ!!本当にビックリしたんだから。」


子供の頃からの女二人だけの他愛の無い話。
同じ女だからこそ、唯一無二の親友、奈良いの(旧姓山中)。


いのとサクラは幼馴染で親友だった。
下忍以前のアカデミー時代からの付き合いで、いつでも腹を割って話すことが出来る相手でもある。
それはサクラにとっても、いのにとっても同じ事といえるだろう。


今日、二人は久しぶりに連絡を取って、母親という肩書きを降ろしてのんびり羽根を伸ばしていた。
行動パターンはもう何年も変わっていない。


いつもと同じところで待ち合わせて、ちょっと洋服なんか見て、
小物やアクセサリーを見て主人達に今度強請ろうとか考える。
メインディッシュはお茶会で、状況報告大会。
独身の頃は良く、互いの恋愛相談に華が咲いていた。

そして今は・・・・


「いいじゃない。それだけ鋭いって事でしょ?ウチの子なんて、シカマルと将棋ばっかり。」
「平和でいいね。ウチなんてすぐにサスケ君に勝負申し込んで、毎日忍術合戦!」
「そういう向上心が、ウチの子たちにもあればな・・。」
「いのの子みたいに楓と紅葉も落ち着きがあったらな・・。」


育児や、家庭事情の悩み相談と化していた。


結婚も出産もいのの方が早かった。
二人で同じ人を好きになり、ライバルとなった子供の頃。
しかし、そんな幼い恋心も終止符を打ち、サクラといのは今ではよりよい仲となっている。
こやって、自分の好きな事や他愛の無い話で笑い合える相手。
きっとこの先彼女以上の理解者は居ないだろうと、互いに思える相手だった。


だからこそ、胸の内を伝えられてこうやって、気兼ねなく話せて勇気付けられたりする。


「無いもの強請りなのかもね。」
「そうかも・・。もし、自分の子供が今と反対の性格だったら同じ事おもうのかな?」


いのもサクラのまだ若く、子育ては若葉マークだ。
流石にお互い二人目を生んで、すこしは慣れたが子育てに慣れはない。
子供一人一人違う命で、違う性格や特徴があって毎日悪戦苦闘している。

「じゃ、いっそのこと期間限定で私の子とサクラの子達交換してみる。」
「いのかちゃんとシカヤ君ならしっかりしてるから、手がかからなそうね。」
「楓君と紅葉ちゃんはもう写輪眼開眼してるんでしょ?成長早いし優秀よね。」

「「・・・・」」

「「「ははは!!」」

ああ、ヤッパリ無いもの強請りだろう。
ストローで氷をまわした。

カチーンと氷と氷がぶつかる涼しげな音が心地よかった。


「でもさ、サクラ・・。」

「何?」


「やっぱり自分の子供が一番可愛いよね。」



「そうだね。」




今日も、まだまだこれから主婦達のおしゃべりは尽きることはありません。









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この二人は大人になっても唯一無二の親友だと私の中では思います。
で、いのの方が少し大人で、経験も早いって感じです。

次は旦那対談か?(笑)








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