もう一つの未来 8 「うえ!!!」 まただ。 「ゴホ!ゴホ!!!」 大好物の餡蜜が喉を通らなく、サクラはあわてて洗面所にむかった。 ジャーと勢い良く水を流し、胃から逆流した汚物が流れてゆく。 これでもう5日目。 食欲はある。 拒食症のような神経性の問題ではない。 だとしてもサクラは自分自身か、又は綱手にすぐに治療が出来るからだ。 「あぁ・・・気持ち悪い。」 洗面所に膝を突いて、げっそりと顔色の悪い自分自身の顔が鏡に映った。 「やだな・・・食あたり?食べすぎ?」 戻すほど食べた覚えは無い。 ここ最近自分の好物や、脂っこいものをみると途端に吐き気がした。 「・・・そういえば、時期によって食べ物の嗜好はかわるっていうわよね。」 サクラは肝心な一つの可能性を見落として、吐き気がおさまると自分の部屋に戻った。 「えっと洗剤は買った。子供達のおやつもまだ足りている・・。ん?」 体調が安定し、そういえばまだ買い物を済ませていないことに気付き、 あわてて近所のスーパーに駆け込んだ。 とりあえず、切らしている生活消耗品は全て買った。 ちっと甘酸っぱい香りがした。 サクラは果物売り場に足を引かれた。 グレープフルーツが特売をしていたのだ。 おいしそう。 このグレープフルーツがたまらなくおいしそうに見えるのだ。 「特売だし・・・いっか!」 サクラは大量のグレープフルーツを買って帰った。 「ただいま・・・ってサクラ?なんだこの果物山は?」 サスケが任務から帰ってくると、台所は柑橘類の果物で溢れかえっていた。 「あ、お帰りサスケ君。今日ね、グレープフルーツが安かったの。で、ついでに蜜柑とレモンもかちゃった。」 「買っちゃったってお前、どう考えても異常すぎる量だぞ。」 「そんな事ないよ。殆ど私が食べるから、朝昼晩ね!あ、楓、紅葉明日のおやつはレモンパイよ〜。」 楓と紅葉はお手製のパイが食べられるからなのか、果物なんてどうでもいいようにはしゃいでいる。 生ゴミ入れを見ると、概に何個か食べられている。 今日はフルーツがオヤツだったのか・・ 「はぁ・・・なのなぁ、毎日毎日グレープフルーツじゃ・・・」 「大丈夫よ。食べるの私だけ、サスケ君達にはちゃんとご飯作るよ。」 「そういう問題じゃ!」 「いいからいいから着替えてきて。ちゃんとご飯も作ってあるから!」 サクラに強引に押され、渋々と着替えた。 テーブルにはいつもと変わりない、普通のご飯が並べられている・・・が、 サクラの席には、さっきのグレープフルーツと蜜柑だけだった。 「・・・サクラ、お前俺を怒らせたいのか?」 「違う!最近食べ物喉に通らないよ!」 「ってお前病院イケー!!」 「そんなのとっくに見てもらった。でも治らないの?」 「火影は?」 「まだ。」 「今すぐ行って来い!」 「結果同じだと思うよ。だってこれなんかこう・・・・・・・・あ、」 急にサクラは押し黙った。 その後すぐ、顔色が赤くなりうつむいた。 「・・・サスケ君・・。」 「なんだよ。」 「明日ちゃんと病院行って来る。」 「あぁ、そうしておけ。」 サクラはそういえば同じ経験をした事あったのだ。 それは楓や紅葉がまだサクラのお腹の中似た頃、つわりのせいでまったく食べ物が受け付けられなく 柑橘類しか食べなかったのだ。 やっとつわりだと気付いたサクラであった。 翌日、産婦人科で三人目を身籠ったという結果を聞くのは、いうまでもない。 ----------------------END---------------------- こうしてサスケの一族復興の道は順風満帆です(笑) サスケとしては、最低でも5人は欲しいところ。 でも本当は10人欲しいと思っている。 でもサクラが無理!といったので、仕方なく5人で話は纏まりました。 |
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