もう一つの未来   12話







臨月を迎えた。
サクラは強制的に、木の葉病院へと入院となった。

また一人うちはの血が増える。
いや、めでたい。
今日は特売だよ

など里じゅうがまた、お祭り騒ぎになっている。

「まだ生まれてもないのに、みんな呑気だな。」

「サクラ、体調はどうだ?」

「師匠・・・。」


綱手が、サクラの様子を身に来た。
可愛い愛弟子の出産だ。
それは何度も経験しても、大変な事だ。

「おかげさまで、順調です。」

「じゃ、後は予定日を待つだけだな。」

季節は初冬だった。
病院の空調は適温に保たれていて、冷える事ものぼせる事もない丁度いい。

「そとはもう木枯らしが酷そうですね。」

「あぁ・・風邪が流行ってる。」

「楓と紅葉は大丈夫かしら?」

「あいつらなら大丈夫。ピンピンしている。」

時々綱手が、二人の様子を見に家に来てくれる。
三度目の出産にあたり、入院になったサクラのことを心配しているのは二子の紅葉だ。
サスケは問題ない。

楓は二回目なだけに、多少不安があるがサスケがいるなら安心だろう。


「紅葉・・・大丈夫ですか?」

「あぁ・・・毎日毎日サクラ、サクラとうるさいな。昔の楓を見ているようだ。」

「そうですか?」






「ママ!!」

「紅葉?!」


病室に突如現われた紅葉。
どうやら、サスケが楓と紅葉を連れてきたようだ。

「そろそろ、面会もできなくなる頃だから、連れてきた。」

「そっか〜、楓・紅葉イイコにしてたかな?」

「「うん!!」」

「紅葉、嘘つくな!」

「フーだ!!」


紅葉は、サクラの腕の中に入る。
どうやらお腹が邪魔で、上手く抱きつけないようだ。


「あ・・」

「どうしたサクラ?」

「動いた。」

お腹の中の胎児が、私もいるよと主張したかの用だ。
もうすぐ、もうすぐ生まれてくる新しい家族。


「今度はね、男のだって。」

「そうか、男か!」



「・・・冬生まれになっちゃったね。」

「名前、どうするか?」

「生まれた考えようよ。」

「あぁ・・・」



外は北風が身に染みているのか、道を歩いている人はとても寒そうに見えた。
今年も雪は降るだろうか?





「う・・・!!」




サクラの歪んだ顔に、サスケと綱手が駆け寄る。

「どうしたんだい?サクラ!!」

「サクラ!!大丈夫か?」

「「ママ・・!!」」


「痛い・・・お腹が痛い・・・。でもなんで?今回は早い・・」


「陣痛ない?今回は結構早産だね。サスケナースコールを頼む。誰か!楓と紅葉を見てくれないか?」


丁度、廊下を歩いていた看護士が、子供を連れて、別室へ座らせた。

「サスケ、後は私達がやるから。お前は楓と紅葉を頼むぞ。」

「分かった。サクラを宜しくな。」

「ああ。」










それから数時間、分娩室で元気な産声が聞こえた。













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