Love since xxx..... 3 When did the love of the true love begin at ? 暗い道路に一人で阿部は自転車を走らせている。 流石に夜も遅いから、人一人通らない。 もともと大通りからは遠い道だ。 人がいるほうが珍しい。 着替えの雑談で余計な時間を食ってしまった。 花井も、あんな時間に言わなくていいのにと阿部はぼやく。 恰好のネタにされるのは読めるのだから・・・。 前方から車のライトが見えた。 慌てて左に夜と、車は阿部の自転車の前で止まった。 パトカーだった。 高校生がこんな時間までいるのだから気になったのだろうか? 部活で遅くなったのだから仕方ないと、阿部はパトカーから出てきた警察に挨拶する。 「君、こんな時間に何をやっているの?」 「部活の帰りです。」 「こんな時間まで?」 「はい、野球部なんで・・。」 「そうか、ならいいけどあんまり遅い時間までの練習は、コチラとしてはちょっと考えものだぞ?」 「すみません。」 何しろ本気で甲子園を狙っているのだから、練習時間は足りないくらいだ。 治安を守る警官としては、未成年が夜遅くまで出歩く事が嫌なのは分かるが・・。 「っと、話がそれてしまったね。」 「は?」 初めから、普通に順序よく会話をしていたのに、この警官は何を言うのか? 阿部はつい生意気な態度をとってしまった。 「違う。違う、さっきね、ここら辺で怪しい男をみたという通報があってね。」 なるほど聞き込みか。 花井の言っていた不審者が最近良く出没するという噂は本当だった。 「えっと、俺この道ずっと走ってましたけど、誰も通りませんでしたよ。」 「そうか・・、ありがとう。」 「おかしいな・・目撃情報からすれば君のきた方向に向かったって・・・。」 阿部の来た道の方向は西浦高校だ。 「そう・・ですか?」 「おい!」 もう一人、パトカーから警官が降りてきた。 地図を持って、阿部と話していた警察と場所あわせをする。 「ここは結構道が細かくて複雑だね。」 「はい。」 向こうの方向に行くには、何通りも行き方がある。 もしかしたら、違う道を通ったのかも知れないと二人の警官は結論を出した。 「こっちをいってみるか?」 「そうだな。」 「あぁ、そうだ。」 一人の警官が、阿部のいる方向に体を向けた。 「君も今後も時間遅くなるようだったら、部活のみんなと集団下校してくれよ?ここら辺は人通りも少ない。 いくら男子高校生だからって油断は禁物。集団リンチなんかも良く聞くから気をつけてくれ。」 「分かりました。」 二人の警官は、パトカーに乗り込むと道を曲がって走り出した。 ようやく警察の質問攻めに解放された阿部は、自転車にまたがる。 「・・・・。」 警官の言葉と田島の言葉がが阿部の頭をよぎる。 『いくら男子高校生だからって油断は禁物』 『俺さ、三橋は危ないと思うんだよね〜。』 『おかしいな。目撃情報では君が向かってきた方向に行ったと・・・・』 『パっと見、三橋って女子に見えそうな気がするんだよね。』 俺には関係ないと阿部は頭を振って、自転車を漕ぎ出したが、突如Uターンをした。 気になって仕方がない。 「クソ・・!!田島のヤツ後で覚えてろよ!!」 さっきとは変わって猛スピードで学校へと阿部は走り出した。 「あ”ぁぁあ・・!!」 三橋は痛みに耐え切れず、大きな声で叫ぶ。 艶めいた声ではなかったが、全力で抵抗してくる三橋の行動など男から見れば煽られているようにしか見えなかった。 来ていたシャツは手を縛る道具にされ、四つんばいの恰好を強いられた。 後ろから強く突かれる衝動のまま流されるしかなかった。 涙は止まることなくあふれ出し、恐怖と絶望のせいで枯れる事がない。 「君、最高だよ。それに気持ちいいんでしょ?ここ、こんなに大きくなってるのに。」 「い・・・!!」 後ろから大事なところを握られる。 さすられ前からも後ろからも攻められて身動きが出来ない。 「ああ・・う・・・うぐ・・。」 「おや、両方は刺激が強すぎたかな?」 「ひゃ・・・!!」 過度な反応が面白いのか、男は手をやめない。 無理矢理感覚神経を高められて、三橋は望まない絶頂を迎えた。 「いっちゃったね。」 「ふ・・うう・・ひっく・・。」 今度は弱弱しくなく三橋。 「今度は僕の番だよ。」 「あああ!!」 律動の早さが上がった。 加速する腰の動きに声が同じ速度で鳴り響く。 「あ・・あぁ・・!!あん・・!」 長い時間、圧迫され続けた三橋の中は痛み以外のものを拾う。 慣らされてしまった。 「あ・・・あ!」 「おや、感じてきたのかい?」 「ん・・ん!!・・あ・・。」 必死に声が出るのを我慢しているのに、我慢すれば我慢するほど感じてしまう。 「ひっく・・。」 「おやおや、君は本当に・・可愛いな。」 「ああ!!」 揺さぶりが、大きく強くなったと思ったら、男が少し声を上げた。 きっと達したのだろう。 男の動きが止まる。 三橋の体の中で、生暖かいものが入ってきた感触を得た。 それは紛れも無い男の欲望だ。 「うう・・いや・・もう放して・・。」 「何でだい?君も気持ちよかっただろ?まだまだだよ?」 体を反転させられ、上から見下ろされた。 またさっきと同じように、恥かしいぐらい足を開かされる。 三橋は体力の限界を超えている。 もう抵抗する力は残っていなかった。 「さて、もっと気持ちよくなろうね。」 「・・・あ・・・。」 「三橋?!」 阿部はもと来た道を戻り、学校に着いた。 流石に外から見ても教室の明かりはどこも就いていなかった。 「・・・・これ・・。」 校門付近に大きな何かが落ちていた。 暗くて良く見えない。 近づくとそれは自転車だと分かった。 名前を見ると、三橋廉と書いてある。 「・・・三橋・・・?」 阿部は、校門をくぐり三橋を探し始める。 部室の鍵を持っているのは三橋。 初め野球部の部室を見たが、鍵がかかっていて空かない。 広い敷地で暗い中の人探しは辛い。 せめて何か手がかりのみたいなものがあれば・・・。 阿部の嫌な予感は当たっていた。 あんな形で自転車が転がっているなんて、何かあったに決まっている。 「・・・・・・・。」 あれからずっと気まずくて三橋を避けていた。 まさかこんな事になるなんて思っても見なかったからだ。 野球部の大事なエースに何かあっては困る。 兎に角一度、姿を見れば少しは安心できる。 「・・ぁ・・・・。」 「三橋!!」 「・・ぁ・・ぁ・・!!・・・ぃ・・・」 ふと人の声がする。 段々大きく人の声。 三橋なのだろうか? 「三橋!!」 「あ・・・ぁあ・・!!」 聞こえた声は確かに三橋の声だった。 でもいつもと様子が違う。 なにか叫んでいるようにもきこえる。 「三橋・・・・。」 物陰から人影が見えた。 よかった、と安心したのは束の間だった。 そこから見えた三橋の姿は壮絶なものだった。 「ひ・・いやぁ・・。」 三橋は見知らぬ男に組み敷かれている。 見知らぬ男は情事に夢中で、阿部の存在に気付いていない。 「おい!アンタ何やってんだよ?!」 阿部が怒鳴ると、男が振りむく。 顔色が変わった男は慌てて身なりを整えて逃げ出した。 あまりのスムーズさに、あっけにとたれて顔もよく見ないまま取り逃がしてしまった。 どうやらこういったことに手馴れている。 慌てて追いかけたが、逃げ足も早くもう姿さえ見えなくなっていた。 「クソ・・!」 「う・・・ヒック・・。」 それより三橋だ。 正直って話しかけにくい、なんて言葉をかけたらいいのか分からなかった。 三橋は気が動転していて、しゃくり上げるだけだった。 良く見ると、手が縛られているのに気付く。 阿部は三橋の手の拘束を解いた。 拘束から解放された三橋は、涙が溜まった瞳をこする。 声はもう枯れていて、言葉になっていない。 よっぼど怖かったのだろう。 「三橋・・。」 「あ・・べ・・く・・。」 見ないで欲しいというように後ずさりをされる。 当たり前だそんな事、自分が同じ立場だったら同じことをするだろうに、でもこのままほっといて帰ることも出来ない。 体は男の欲望がそこらじゅうにこびりついていて、腕も戒められた跡がクッキリと残っている。 首や鎖骨、胸元には血痕が多数。 「・・・先・・かえ・・。」 「んな事できるか?またアイツ潜んでるかもしれねぇだろ!」 三橋の気持ちも分かるが、まだ待ち伏せされていたら今度こそ三橋は終わりだ。 阿部はとりあえず場所を変えた。 部室に戻って、タオルを濡らして三橋に渡す。 「ホラ、これで体ふけ・・。」 「・・・・・・。」 「何だ?」 落ち着かない三橋の様子に阿部は、渡したタオルを奪い取りゴシゴシと三橋の体を拭いた。 三橋は嫌そうに抵抗するが、弱りきっている体での抵抗なんてたかが知れいている。 気にせず阿部は三橋の汚れを落とした。 自転車は駐輪所に戻した。 身なりを整えた三橋はあの後、親に迎えに来てもらった。 バッテリーの打ち合わせで遅くなったと言って、遅すぎる子供の帰りを納得してもらえた。 三橋の母尚江は、あまりにも時間が遅すぎるから阿部も送ると申し出たが阿部は丁重に断った。 いくらなんでも気まずすぎる。三橋きっと嫌だろう。 阿部は車が出ると、自分も自転車で急いで家に向かった。 次の日三橋は一週間ほど学校を休んだ。 ねぇ、いつから本当の愛は始まったというの? 誰もわからないよ。 そもそも本当の愛って一体何色に見えるのかもわからないのに・・・。 |
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