Love since xxx..... 6 For you love is true. 阿部からのメールはいつも突然やってくる。 早朝だったり、授業中だったり、夜だったり。 内容はとても完結だった。 日時と場所をかいてる分だけ。 逆らう事は許されない。 むしろ三橋が阿部に逆らうなんて事はありえないだろう。 三橋にとって、阿部の存在は絶対的なものなのだから・・。 今日は昼休みに屋上に来いと書いてあった。 屋外であの行為をしようとでもいうのか? 部室だったり、教室やあまつさえトイレなんて場所もあったが、流石に外は気が引ける。 阿部の考えている事がまったくもってわからない。 屋上のドアを開けるとそこにはもう阿部がいた。 物陰の方へ追いやられて、フェンスに寄りかかる状態になる。 いくあ人がいないからって、これはいやだ。 「あの・・・阿部君・・。」 「いいから黙ってろ。」 阿部は人の目を気にしないかの様に手を勧めている。 三橋のズボンに手をかけて、下半身を弄る。 「ひ・・!!」 「なんだ?お前イヤといってる割に、ここ固いぞ?」 「阿部・・君。やだよ・・・こんなところで・・。」 「へぇ。じゃ、ココじゃなきゃいいんだな?」 「そんな・・。」 「じゃ、今日はミーティングだけだろ?そのまま教室残ってろよ。」 すっかり興ざめしてしまったのか、阿部はすぐに手をとめて帰ってしまった。 阿部から逃れられた三橋は、気がぬけて座る。 一時期の平和だけで、放課後になればまた同じことの繰り返しだ。 正直いって辛かった。 自分から手を取ったくせに 終わりにしたいなんて、なんてワガママなんだろう。 「・・・阿部君。」 案の定、阿部はミーティング後に三橋に手を出してきた。 野球部の皆が帰った後、二人だけ軽くミーティングをすると言って残った。 そんな真っ赤な嘘にみんな騙されて、さよならの挨拶をしてみんな帰ってしまった。 「・・・・。」 阿部は回りに人がいないのを確認すると、三橋の座っている椅子の後ろにたった。 後ろから抱きしめて、シャツの裾から手を忍ばせた。 「ひゃ・・!」 「三橋・・・。」 阿部我慢できなかったのか、三橋を椅子から降ろして床へ押し倒す。 本当は昼のうちに抱きたかったのだろう。 その気になっている男が、急にやめる事なんて簡単に出来ない。 いつも乱暴だが、この日はいつもより乱暴だった。 シャツは無理矢理引き剥がされて、ボタンが取れた。 下に来ていたTシャツまでは被害にはいかなかったが、素行が粗暴なのは代わりはない。 下半身もあっけなく脱がされて、後孔を弄る。 「う・・・!!」 「なんだ・・?」 「痛い・・。」 いきなり指を入れられては痛い。 三橋の体は緊張と恐怖で固まっていた。 「お前いい加減なれろよ。初めてでもあるまいし。」 「で・・でも!!」 「泣くなって!!」 「え・・で・・でも・・。」 阿部も男を抱く知識は少なからず持っていた。 三橋を抱く際は投手として、なるべく傷つけないようにしえいるが、今日はそんな余裕がない。 お世辞にもいえないと思う三橋のそこを、阿部自身が宛がう。 「え・・阿部君・・?」 「三橋、力抜けよ。」 「あ・・・ああああ!!」 「ち!三橋!声でけぇよ!」 「痛い・・あ・・べ君・・いた・・・」 三橋の静止の声も聞かずに阿部は律動を続ける。 独りよがりのセックスに空しく体だけが反応する。 阿部は絶頂を迎えて三橋の中に己の欲望を注いだあと、何事もなかったかのように去ってしまった。 残された三橋は、だるい体をゆっくりと起き上がらせた。 いつもの事だ。 用がすんだら、阿部はいつもさっさと帰ってしまう。 だって初め言ったじゃないか、抱いてる間だけだって。 その後は別の時間。 三橋を愛してくれない時間の始まり。 突如携帯の着信音が響いた。 三橋に携帯が鳴るのは珍しい。一体誰からなのだろうか? 待受けを見ると、メールだ。 差出人は叶だった。 本文に、学校が数日休みになるから遊びに行くと書いてあった。 「修ちゃん!」 よく読むと明日から叶は埼玉へ来るらしい。 部屋の掃除をしておかないと。 きっと叶は泊まっていくだろう。 「レーン!!」 「修ちゃん!!」 学校の帰り、部活で遅くなったので叶は三橋の部屋で三橋の帰りを待つことにした。 ドアを開けると、叶は三橋の部屋からでてきた。 「ひさしぶりだな。」 「うん!修ちゃん元気だった?」 「おう!廉は・・はは部活でしごかれてんな?ちょっと疲れ顔だ。」 「そうだね・・。毎日毎日遅くまでやってるんだ。」 お風呂が沸いていると言われたので、三橋は先に汚れた体を洗う事にした。 尚江も叶がこうして、いっしょにご飯を食べるのは久しぶりねって笑った。 ご飯を食べ終わると、二人は三橋の部屋で久しぶりの再会のひと時を楽しんだ。 大概は野球の話しだが、新しい学校の事や、三橋の部活の事、三星の高校から新しく入ってきたチームメイトの事 話し出したら、キリがなかった。 「そういえば、明日土曜日だけど練習あるだろ?」 「うん。ゴメンネ修ちゃんせっかく遊びに来てくれたのに・・。」 「仕方ないさ、俺の学校の都合なんだからさ!・・あれ、三橋ここ虫にでも刺されたか?」 叶が首の刺してジャスチャーをする。 三橋は自分の首を触る。 とくに腫れてもりあがっている部分は見当たらなかった。 「あれ・・痛くない、よ?」 「おかしいな・・ここ確かに・・・」 叶は三橋の首をよく見て押し黙った。 これは虫刺されじゃない。 「修・・ちゃん?」 怖い顔して黙る叶が耐え切れなくて、三橋は叶の名前を呼んだ。 「廉・・これ誰にやられた?」 「え・・?」 「これ、キスマークだろ・・・」 「えっと・・その・・」 「あの捕手か?」 「・・!!!」 「そうなんだな・・・。」 叶の顔は泣きそうだった。 三橋はどうしたらいいのか分からず、一人グルグルと頭を悩ませた。 どうしようと、かける言葉が見つからない。 「えっと・。」 「廉は、あいつが好きなのか・・?」 「阿部君の事は好きだよ。でも、修ちゃんも好きだよ?」 「だったら・・・・」 叶は三橋のパジャマの裾を掴んだ。 「廉、俺だって廉のこと好きだったんだよ!ずっと前からこういう意味で!!」 叶は、三橋を抱きしめる。 放すものかと、とても強い力だった。 「それなのに・・・どうして、廉俺だって好きだ。廉の事すきだ。・・だから・・・俺にも・・・・・」 「修ちゃん・・・・?」 最悪だった。 昨日の事は、とんでもない失態だった。 この心のモヤオヤさを言葉でどう表現していいか分からず、阿部は不機嫌に廊下を歩いていた。 三橋を抱き終わるとすぐに帰ってしまうのは、深みにはまらない為。 自分から持ちかけて、泥沼に陥るのは勘弁願いたい。 阿部は自分なりのブレーキのために、行為を終わらせたらその余韻を浸らないようにあえてすぐに立ち去っていた。 昨日は自分でも可笑しかった気がする。 いつも呼びつけて、やることだけヤっ、ハイ終わりでよかったのに、 昨日は三橋のいう事を尊重してしまい、自分の熱をもてあましていた。 それが結局、エースの体に大きく負担を負わせる結果となってしまった。 「あ・・・あの阿部君!!」 「何?俺、急いでるんだけど?」 部活が終わって体が疲れている。 今日は特に何もなかったはず、女の子の声が聞こえた篠岡だろうか? 「えっと・・。」 呼んだ女子は、篠岡ではなかった。 この顔は7組にはいない。 「なんか用?」 野球部の練習時間まで待っていたのとなれば、結構急用だったのだろうか? それなら練習中に、呼びつけるなりすればいいのに この女子は結構要領が悪いんだなと、勝手に阿部は決め付けた。 「あの・・・私、阿部君が好きなんです!だから・・・私と付き合ってください!!」 「え・・・?」 貴方への愛は本物です。 私は貴方が大好きです。 だから私を見てください。 私を愛してください。 今夜、淋しくて眠れないの。 |
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