Love since xxx.....   7


Tonight,I am lonely and cannot sleep.





「俺の事好きなの?」


阿部が好きという女子生徒。
モジモジしていて、これだから女は・・・と面倒だから断ろうとした。
が、阿部の脳裏に一つの考えがよぎった。


別に処理相手は三橋じゃなくてもいいのでは?


三橋は確かに普通の男子より、身長は低めで顔も気弱。
肌も色素が薄く、髪の毛も柔らかくてそこら辺の女の子より女の子に見えるときがある。
阿部をスキだと言った三橋。

三橋がそんな容姿じゃなかったら、きっと冷たくあしらっていた。
あんな行為なんかしなかった。



これ以上野球部のエースに負担をかけてまでする行為か?
だったら・・・・・




「いいよ・・。」

「本当?」

「あぁ・・・でも俺、部活で忙しいからいつもは構ってヤレねぇし、女心なんてのもしらねぇぞ。」

「それでもいい・・」


健気なタイプなのか、阿部と付き合う女の子は、そういった方がいいだろう。
阿部とこの女子生徒が付き合い始めたという噂は、すぐに学校に広まった。


そして、阿部と三橋の体の関係も幕を閉じた。





















薄暗い部屋。
豆電球だけで暗い部屋を照らすには明かりが足りない。

熱の篭った声と、力強い腕。
自分と身長が少し高いだけなのに、こんなにも違う。

いつも一緒だった修ちゃん。
大好きな修ちゃん。
修ちゃんの隣はいつだって、暖かくて気持ちよくて・・・


あの日、叶が一晩泊まりにきてから、三橋と叶は体を重ねるようになった。
お互い連絡を取りながら、叶が三橋の家に遊びに来るようになっていた。
二人で大きなベッドに寝ッ転がり、抱き合い始めたらすぐに行動はエスカレートしていく。




「あ・・!!」

「廉、平気か?」

「大丈夫・・。」

「そうか・・・。」



阿部とは違って、叶は優しく抱いてくれた。
三橋の体をなるべく傷つけないようにと・・・・


だからこんなんことされても、叶の腕の中は暖かい。
心地よいゆりかごの用に、意識が遠のく。
それは気持ちよさだけの問題ではなかったが・・・・


「修・・ちゃん。」

「なん、だ?廉・・。」

「あぁ・・・」


しゃべってもなお律動を止めない叶。
三橋は叶が動くたびに感じていた。
可愛い声を上げて、生理的な涙をこぼして、こんな俺を一生懸命愛してくれる叶に
三橋は何故だか申し訳なかった。













明け方、三橋はふと目が覚めた。

外を見ると霧がかかかっている。
そろそろ鳥のさえずりが聞こえてくる時間だ。


三橋のベッドでは叶は安定した寝息を立てていた。
まだもう少し時間がある。
三橋は二度寝しようと、ベッドにもう一度入った。






「廉・・・俺と寝て後悔してるだろ?」

「え・・・」


叶は起きていた。
顔を叶に合わせると、叶も曇った顔を見せる。


嫌われたくない。三橋は叶の言葉を否定した。


「嘘、つかなくていい。俺には気をつかうな。スキなんだろ?あのキャッチャー・・。」

「修・・・ちゃん・・。」



「でも、阿部君は俺の事なんか・・。」

「スキでもないのに、そんな事するのかよ!アイツは!!」


三橋の話を聞いていると、阿部が好き勝手やっているように聞こえる。
否定をしない三橋に、叶は泣きそうになった。
本当に体だけの関係だった。
そう、今の自分のように・・・。


心が入らないなら、せめて体だけでもって

三橋もソレを実行している。


他人がやっているのを見て、その行動の愚かさに気付くなんて、滑稽もいいところだ。




「廉・・・もう一度アイツに言えよ。スキだって・・。」

「え・・・・。」


もう遅い。
阿部は彼女を作ってしまった。
男の自分ではなく、明るくて可愛くてフワフワしたような自分とは正反対の子が・・・

見るからにその二人はお似合いだった。


「でも・・修ちゃん。」

「スキなんだろ?当たって砕けろ。俺は今丁度、玉砕したところだ。」

「修ちゃんてば・・。」

「俺はコウだったけど、お前は違うかも知れないぜ?」

「でも・・阿部君は・・・彼、女。」

「自分の気持ちを伝えるだけにすれば、相手も傷つかないって。」

「うん・・。」


自分の気持ちを伝えるだけ。
聞いてもらってハイおしまい。
それなら自分もスッキリして、相手には聞き流してもらって付き合っている彼女に集中して下さい。
こんな上手くいくのだろうか?・・・でも・・・


「修ちゃん・・あり、がとう。俺・・もう一度、言ってみ、る。」

「おお、それでこそ廉だ。」


















生まれて初めてラブホテルというとこに入った。
安っぽい造りの割りに、最近ではゲームやカラオケまで出来るようになっている。
ヤルだけなら、ベッドあればいいんじゃないか?


阿部は、ベッドの横にある棚に避妊具があるかどうかを確かめた。


「すごいね。私ラブホ入るの初めて。」

「俺も・・。」

「わ〜、すごい丸いベッドだ!!」


そこまで緊張していないのか、彼女はフカフカのベッドで遊んでいる。
自分ばかりが緊張していて、アホらしかった。


こういう順序はよくわからない。
シャワー浴びたほうがいいのか?

それとも後なのか?
普通の思春期真っ盛りの男なら、こういった本を読んだり知り合いにアドバイスをもらったりと
必死になっているハズなのに、阿部は冷静だった。


キャキャっとベッドに座る彼女を、組み敷いた。


「阿部君て、意外とがっつくんだね・・。」


ちょっと真っ赤になった彼女が、視線をそらした。
緊張しているのか、こころなしか手が震えていた。
そんな事されたら、コッチだって緊張が写ってしまう。


自分のペースに持っていきたい阿部は、手際よく彼女の服を脱がせた。


「阿部君・・・。」


前ボタンのシャツを着てきた彼女。
少し制服を連想させるようなスカート


洋服をどかして見た肌は、とても柔らかかった。
あぁ、三橋もたしかこんな肌だったな。
正解だよ田島に水谷。
三橋は女でも、十分やっていける。

生の女の肌を触って感触を確かめたんだ、違いない。
どっちだって、変わりない。


「阿部君!?」


阿部の乱暴な手の動きに、神経が磨り減っているのか、恐怖が混じった声が聞こえた。
これだから女は・・・・。


「!!!」



「阿部君?!怖いよ。」


「み・・・は・・・?」





ガバっとつうい後ろへひいてしまった。
一瞬、彼女の顔が三橋に見えた。



「阿部君・・?」

「悪い・・・なんでもない。」


「阿部君って好きな人居るでしょ?」

「え・・・?」


空気が固まったのが分かる。
この彼女は一体何を言っているのだろうか?
好きな人がいたら、今お前とは付き合っていないと言ってやりたいと阿部は反論しようとしたが、
先をこされてしまった。


「気付いてない?阿部君、私の事ちゃんと見てない。それにいま”み”って言いかけた。」

「!!」

「”み”から始まる名前の人言いそうになったでしょ?私の名前に”み”は付かないよ。
 その人忘れるために私と付き合ったの?」

「・・・それは・・。」

「否定はしないんだね。まぁ、告白したとき阿部君、渋って考えてたモンね。
 その人のこと考えてたんでしょ・・・。苦しくない?好きでもない人と付き合って。」



彼女は阿部に脱がされた服を、丁寧に着なおした。
バッグを持って、このホテルの金額の半額を置いていった。


「阿部君、ちゃんと好きな人いるんだったら、言ったほうがいいよ。
 それでも駄目だったら、もう一回私のところに来て?そうしたら私の事好きななってくれるように
 私頑張っちゃうから・・・。」


そう言われて、ドアが閉まった。






阿部の脳裏に焼きついているのは、三橋の顔だった。


情事の時に見せる、艶めいた顔と、普段見せる怯えた顔と、ちょっと緩んだ笑顔
それが阿部の頭から離れない。
なんでこんな時に、あの女の顔が三橋に見えたのか分からない。



「チクショー・・・・。」















今夜は貴方がいなくて、寂しくて眠れない。


ごめんなさい。
イッパイイッパイゴメンなさい。
貴方を傷つけてしまってごめんなさい。

でも、もう一度愛を伝える事は出来ますか?

まだ間に合いますか?






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