この恋を君に捧ぐ 15 サクラダイトの会議は順調に終わった。 生産計画に、各国の分配量。 今年もブリタニアの威信を示すいい会議となった。 同盟国とそうでない国のパワーバランスも上手く取れて、シュナイゼルとゲンブは各自ホテルで休んでいた。 各国の要人が宿泊する豪華ホテル。 サクラダイト会議に出席している大半の要人が、このホテルを利用していた。 無論、シュナイゼルも枢木夫妻も同じである。 「あら、あなたどこへ行くの?」 「シュナイゼル殿下のもとだ。」 「いつの間にそんな仲良くなったんです?」 「ちょっとな・・・。」 スザクとルルーシュ皇女の今後の事で話しうなんて、口が裂けても言えないゲンブだった。 ゲンブは約束の時間どおりに部屋をノックした。 ドアを開けたのは、側近の男だった。 ゲンブの顔を確認すると、お待ちしておりましたと言って部屋の中へ通す。 「すみませんね。こちらまで来てもらって。」 「いえ・・私の部屋には妻もいますから。」 「そうでしたね。」 ゲンブは持ってきた資料をシュナイゼルに見せた。 その資料にシュナイゼルは眼を通す。 「正直言いまして、息子には手を焼いています。」 「そうでしょうね。」 枢木スザク 行動調査 「父上から、枢木スザク君との縁談が決まったと聞いて早すぎると思いました。」 「無論、それは私も同じです。」 二人はテーブルに置かれたスザクの調査票を片手に、溜息が出る。 自分の息子の事は今まで見てきたから、ゲンブも手にとるようにわかる。 ワンパクに育ち、そのまま精神年齢が子供で本当にドラ息子になってしまったからだ。 「誠意ある好青年だったらまら、救いがあったのだがね・・・。」 「返す言葉もございません・・。」 見事、わがままな女遊びの激しい気分や。 女を泣かせるなんて事は、一度や二度ではないと報告書には履いてある。 「まぁ、それもこれはルルーシュと合う前の枢木君の実態だからね。」 「と、いいますと?」 「枢木首相は、スザク君とルルーシュが結婚した後の調査をしていますか?」 「いいえ、最近は・・・。」 「申し訳ないですが、こちらは調べさせていただきました。 今度はシュナイゼルが数枚の書類をゲンブに渡した。 結婚後のスザクの行動調査さった。 「これを読ませていただきますと、今ではそうでもないみたいですね。」 「・・・全く改善のよしがなかったら、今頃私がはり倒しています。」 「ハハハ・・枢木首相は本当に面白い。」 「ご冗談を、殿下だったらもうスザクをこの世に残しては無いのではないですか?」 「そう思われているなら、そういう事にしておきますよ?首相。」 「ふ、うちのバカ息子は死んでもバカが治るとは思いませんが・・」 「言いますね。首相も・・。」 「シュナイゼル殿下には叶いませんよ。」 いい年をした大人の、言葉遊びが続く。 双方、酒が入っている成果言い方がブラックジョークそのものだ。 今回りに側近達がいたら、さぞや胃を痛めていただろう。 幸いにも今は、保護者同士の極秘の密談だから当事者以外はいない。 「ま、ルルーシュの結婚を機に大分大人しくなっているようだね。 関係のあった女性とも縁を切っている。まぁ、最低限の事はしてくれているんだね。」 「気の利かない息子で、プラスαまでは頭が回らなくて・・。」 「まだまだ合格ラインまでは行かないが、暫くまだ様子見といこうかな。」 「そうですね。」 「ああ、そうだ。」 シュナイゼルが言い忘れていた事が思い出す。 「コーネリアから伝言を預かっているんだ。」 「・・・実に嫌な予感がします。」 「”私はシュナイゼル兄上とは違って甘くないから、何かあったらそれなりの対応をする”といっていたよ。 我が妹ながら恐ろしいね。」 「いいえ、ブリタニア皇族たちの素晴らしき兄妹愛には感服です。」 しかし、ゲンブは確信している。 スザクはルルーシュのことを好いている。 今はまだ子供ッぽい愛情表現だからぎこちないけど、精神的に成長してくれたら少しは違ってくるだろうと。 それだけスザクの表現は幼すぎるのだ。 次の朝、ゲンブとシュナイゼルは一緒に帰ってきた。 どうやらまだシュナイゼルは枢木邸にいるつもりらしい。 椿は予想通りでしたね。と笑った。 そういえばルルーシュの姿が見えなかった。 シュナイゼルが椿にルルーシュの居所を聞くと、離れにあるヒマワリ畑にいるといった。 季節はもう夏だった。 シュナイゼルはヒマワリ畑の場所を聞くと、白いスーツを気にしないで砂利道を歩いた。 白いスーツに合わせた白い革靴ももう泥だらけである。 日差しが強い日中。 遠めに黄色の背の高い花畑を見つけた。 どうやらあの中に入ってルルーシュを見つけなきゃいけないらしい。 「ルルーシュ、ここにいるのかい?」 シュナイゼルはルルーシュを呼ぶ。 そうしたら返事は思いのほか早く帰ってきた。 「シュナイゼル兄上?」 近くで声がする。 自分の耳を頼りにシュナイゼルは聞こえた方向へ足を進めた。 「ルルーシュ?」 「兄上?!」 すぐにルルーシュは見つかった。 ルルーシュの腕の中には、数本のヒマワリの花が摘んであった。 「ヒマワリを摘んでいたのかい?」 「はい、あ、お帰りなさい。兄上。」 「只今、ルルーシュ。」 シュナイゼルは、一本ルルーシュの腕の中からヒマワリの花を抜いた。」 自然に育てられて大輪の黄色。 太陽のシンボルと称えられている花は、美しく咲き誇っている。 「綺麗に咲いているね。」 「ハイ、椿さんが少しなら摘んでもいいと・・だから。」 「部屋に飾るのかい。」 「はい。」 ルルーシュは嬉しそうに笑った。 皇室にいたときにはあまり見ない花だったから、ルルーシュも気に入ったようだ。 「ルルーシュ、スザク君をどう思うかい?」 「え・・・?」 唐突なシュナイゼルの質問に、ルルーシュは首をかしげた。 「えっと・・。」 「正直に答えていい。」 ルルーシュは俯きながら答えた。 「正直言って・・・怖いです。」 始めは結婚なんてどうでもいい。 大人しく日本でいいお人形になってれば言いと思っていた。 相手も、女遊びが激しいと聞いていたから、そこまで濃い生活を向かえる事はないだろうと思っていた。 「そうかい・・・。」 シュナイゼルは予想通りの回答に、溜息をついた。 「始めは大丈夫と思ったんです。」 スザクの第一印象はあまり近づきたくないだった。 初対面は普通だったが、いきなり二人っきりになった時迫られて怖かったのを思えている。 それでもゲンブの配慮で、あまりスザクに会わない生活が続いた。 夜も部屋を与えられて、穏やかな朝が迎えれていたのだ。 ソレを壊したのが結婚初夜。 それからスザクの態度が急変した。 ルルーシュに執着するようになった。 初夜をかわして、ルルーシュは本気で本国に帰りたくなった。 コーネリアのシュナイゼルの、帰りたくなったら帰っておいでという言葉に何度も甘えそうになった。 「我慢してれば大丈夫だって・・。」 「ルルーシュ・・もういい。」 「続けさせてください。でも、最近思うんです。スザクはまるで子供。」 愛し方を知らない子供のよう。 乱暴で、口が悪くて、自分勝手。 自分の理論を人に押し付ける。ワンパクな子供。 無理矢理行為を凶行させる事はよくあった。 結婚初夜から数知れず、椿さんから同情されるほどある。 昨日はいきなりされたが、これでも減ったほうだ。 それどころか最近優しくなってきている。 だから、もう少しここにいてもいいかななんて思ったのだ。 「兄上、私は帰りません。もう少しここにいさせてください。」 「ルルーシュ・・・。そうか・・。」 「ハイ。」 その話は終わりにしよう。 シュナイゼルは、ルルーシュにもう枢木邸に返ろうと促した。 ルルーシュは、もう数本ヒマワリを摘んで、それから返った。 二人で一緒にヒマワリ畑から戻ると、スザクが帰っていた。 「お帰りなさい、シュナイゼル殿下・ルルーシュも。」 「あぁ・・さっき帰ってきたばかりでね。」 「只今、スザク。ヒマワリ摘んできた。」 「へーあの畑すごいだろ。ここら辺の名物なんだよ。」 スザクは椿に、花瓶を持ってくるように頼んだ。 「それとルルーシュ、そんな恰好で外歩いたの?」 「日本の夏はどうしてこう、うっとおしいのだ?」 「それは私も思うよ。」 シュナイゼルはサマースーツの上着を抜いた。 花瓶を持ってきた椿は、ルルーシュにコレにヒマワリを生けるように渡す。 そぷして、シュナイゼルの上着を受け取り、部屋にかけておきますねといってしまった。 シュナイゼルはネクタイを緩めて、シャツを仰ぐ。 日本の夏は湿気も最高潮で、記録する気温より体感温度は高く感じるのだ。 「そうじゃなくて、ルルーシュ日焼け止め塗った?ブリタニア人て肌の白い人って紫外線弱いんだろ?」 「少しの時間から平気だ。」 「駄目だよ!最近の紫外線は強いんだよ。今の時間は特に強いああもう!」 スザクは一人で叫んでいる。 「兎に角、その肌覚まさないと!椿さん!日焼け冷ましローションあったよね?」 奥から椿の声が聞こえた。 どうやら洗面所にあることを聞いて、スザクは取りに行った。 「いい?後で行くから部屋にいてよ!」 「・・・わかった。」 「クスクス・・。」 「どうしました?兄上?」 「いや・・ちょっと・・。」 どうしよう・・可愛いかもしれない。 「そういう事だったんだね。ルルーシュ。」 スザクは子供だ。 シュナイゼルはルルーシュがスザクは子供だという発言を今、理解した。 |
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