狂わされた歯車 4 ナルトは目の前の光景を信じたくはなかった。 浴衣がボロボロにあたりに散らばり 荷物も散乱している 裸体で泣きじゃくっているサクラ 「つ・・・・ぃ・・・ぅぅ・・・・」 サクラは何か言っている様だが、正確に聞き取れなかった。 「・・・・・サクラちゃん!」 ナルトは考えるのをやめてサクラの方へ駆け出した。 ぐったりしているサクラを抱き上げて揺さぶる。 反応がない。気絶している。 ナルトは自分の服をサクラに着せて急いで家に帰った。 ナルトの家は一人暮らしなので、こんな時間に帰ってきても親に注意されることもない。 ましてや、傷だらけになった少女を家につれて帰ってきても何も心配はない。 ナルトはとりあえずサクラの傷の手当てをするためにサクラの体を洗い、救急箱を取り出した。 サクラは目が朦朧としていて、半目状態だった。 「ナ・・・ル・・ト」 「サクラちゃん!気が付いたの?」 辛うじてサクラが言葉をつむいだ。 「わ・・たし・・」 「大丈夫サクラちゃん。いま手当てしてるから・・・」 サクラはナルトの手を掴んだ 「ナルト・・・いのを・・呼んで・・」 「いの?」 ナルトはとりあえずサクラの言うとおりにした。 電話機をサクラに渡してサクラはいのの家に電話をした。 「はい、山中花屋です。」 「こんな時間にすみません・・・春野サクラですけど・・・」 「あら、サクラちゃん。ちょっと待っててね。」 「もしもしサクラ!あんた今どこにいんのよ!」 「いの・・・ナルトの家・・お願いすぐに来て・・」 「ちょっと・・サクラあんたどうしたの?」 サクラの弱弱しい声にいのは驚く。 「お願い・・・いの・・」 「わかったわ。サクラ・・・その代わり、ちゃんと説明してもらうからね。」 いのは家を飛び出し、ナルトの家へ向かった。 いのがナルトの家に着くのはそう時間はかからなかった。 ナルトの家に着くとすぐにずかずか入り込んできた。 「ナルト!!サクラ!!」 「しー!!サクラちゃん寝ちゃったんだってばよ。」 「え?」 ナルトのベッドでサクラが荒い息をたて、眠っていた。 いのはナルトの胸倉を掴んだ! 「ちょっと!ナルト!どういうつもりよ!!」 「違うの・・・ナルトは助けてくれたの。」 いのの声でサクラは眠りから覚めてしまったようだ。 「サクラ・・あんた親から家に電話かかってきたのよ。一体何があったの?」 「「・・・・」」 ナルトとサクラは黙り込んだ。 なんと説明したらいいか解からない。 「何なのよ!黙りこくちゃって・・!!」 「いの・・実はね・・・・私・・・・・・・・ 「は・・・はにそれ?どういうことよ!!」 「本当なの・・・」 サクラは全てをいのとナルトに話した。 サスケを夏祭りに誘ったこと。 来ないと言われつつ待っていたこと。 何時間か過ぎた後に男達に目をつけられそして・・・ 「もしかして・・・」 「ナルトあんたなんか知ってるの?」 「奴ら、逃げていく時に”来ないと解かってるのに待ってるのはやめておいたほうがいいと思うぜ”って言ってたってばよ。」 「ちょっと待ってよ!それは奴らはサスケ君が”来ない”ことを知ってたって事でしょ?」 「・・・そうなるのか?」 青筋を立ててるいのを見てナルトは恐る恐る聞いてみた。 「絶対そうよ!サスケ君きっと奴らを買収したか何かでサクラを・・・・」 其の言葉にさすがのナルトも切れた。 「それは言い過ぎだってばよ!いくらサスケでも!!」 「じゃあ!この事実はどう説明すんのよ。」 「・・・・それは・・・」 「とにかく!サクラは暫く絶対安静!サクラの親には何とか私で言っておく!ナルトあんたはサクラのこと頼むわよ!」 「あ・・うん。」 いのはサクラの家に電話してなんとか言いくるめ、いのの家にいると言い自分の親にも了解をとった。 サクラは今動けることも出来ないので、ナルトの家に泊まる事になった。 「じゃあ、私帰るわね。ナルト・・・サクラのとこ頼むわよ。」 「任せとけって!」 「あんたが、来てくれてよかったわ・・・もしあんたが来なかったらサクラはきっと・・・ってやめるわね。じゃ」 いのはドアノブを開けて自分の家に帰っていった。 ナルトは部屋に戻り息の荒いサクラの額に手をやった。 「サクラちゃん、ちょっと熱があるってばよ。いま冷たいもの入れてくる。 「ありがとうね。ゴメンね・・・」 「俺は、大丈夫だってばよ!」 サクラは少し硬い笑顔だった。 「ナルト・・・ありがとう・・ナルトがいなかったら私・・・・」 「何?サクラちゃん・・」 「ううん?なんでもない・・」 「水分とって寝たほうがいいってばよ。明日の任務はサクラちゃん休んだほうがいい。」 「そうね・・親になんていおう。」 「悩む暇があたっら寝たほうがいいってばよ。もう日付変更してるし・・・」 「うん。そうだねじゃあ、お休み。ナルト・・」 「ああ、お休み。」 暫くして、サクラから一定の寝息が聞こえてきた。 ナルトはまだまだ眠れずにいた。 本当に自分が来なかったらサクラはどうなっていたのだろう? 考えるだけで怖い・・・ それに、サスケの事もある。 きっと誤解だ。 いくらそうでも、自分の仲間を気づけるような真似はしないことは同じ班であるナルトは解かる。 無論サクラもそうである。 直接そんな事サスケに問うことも出来ない。 ナルトは悩んでいた。 このままでいいのか・・・・・ |
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