孤島の華   5




馬車で着いたところは辺鄙な場所だった。
森の中にお城があるような感じ。


金持ちとは聞いていたが、まさか此処までだったとは・・・

「さあ、降りましょう。桜。」
「はい、お母様。」

馬車から降りると、銀に近いグレーっぽい色の髪をした青年がたっていた。
年は桜よりいくつか年上に見えた。
「お帰りなさいませ。大蛇丸様。そう見ると、桜様は無事にこの屋敷のご令嬢ですか?」
「ええ、そうよ。」
大蛇丸は桜を迎えられたことが嬉しいのか機嫌がよかった。

「紹介するわ桜。カブトよ。屋敷の執事をして私の一番の部下よ。」
「初めまして、桜様。薬師カブトと申します。」
「私は・・春・・あ・・・苗字・・」
「そのままでいいわ。桜にはその苗字がお似合いよ。」
「長旅でしたでしょう。部屋を用意してあります。どうぞ。」



外見も凄いことながら中も凄かった。
豪華な廊下・・中には西洋の代物のシャンゼリアもある。
桜はそれを見るのは初めてだった。
「どうぞ、此処が桜様のお部屋です。」
カブトに案内された部屋は今までの何倍もの広さだった。
布団ではなくベッド、タンスじゃなくてクローゼットになっている。
この屋敷全体が西洋のつくりになっていた。


「ありがとうございます。カブトさん」
「カブトでいいですよ。桜様。」
「じゃぁ、様付けをやめてくだされば・・」
「・・・はは桜様には敵いませんね。そのままでいいですよ。呼び捨てはできません。」

人のよさそうな青年だった。
どうやらすぐ打ち解けられそうだった。
「ここは・・・カブトさんとお母様以外に人はいるの?」
「ええ・・・ご・・いや4人います。」
「そうなの。」

「そう、桜様・・一つ注意がございます。」
「ナンですか?3階の一番奥にある日当たりの悪い部屋には入らないでください。」
「そうして?」
「あそこは昔の屋敷の主が従者を拷問にかけていた血なまぐさい部屋です。もとい今は入れないようにしっかり鍵をかけてますが。」
「そうなの・・・」
昔の・・・主人・・・大蛇丸の・・親とかなのだろうか。

「桜様は聴き訳が良いいですね。ここは何人か養女にしているものがいました。」
「どういうこと?」
「あの入ってはならない部屋に好奇心のあまりに入ってしまったのです。」
「え・・・それで・・どうなったの?」

「野暮ですね。殺されたに決まってるじゃないですか?!」
カブトの顔つきが変わったのを桜は見逃さなかった。
どうやら・・・此処にはなにか血なまぐさいものがありそうだ。
まぁその部屋に入らなければ、安心だろう。
一応見かけはよさそうだ。
「それでは・・・私はコレで・・・何かありましたら、この鈴でおよっび下さい。」
一個のリボンのついた鈴を受け取った。

「桜様専用の従者が参ります。それでは。」
桜はひとまずその専用の従者の顔が見たくて鈴を鳴らした。
響くが良くて心地が良かった。


「お呼びですか?」


現れたのは赤毛の桜より年上の女だった。
「・・顔をちゃんと見ておきたかったの。自己紹介もまだだったから・・。私は春野桜・・・こう見えても成人者なんだけどね。」
「私は多由也と申します。」
「ありがとう・・。ここって寂しいところね。もっと人がいっぱいいてにぎやかなところかと思ってた。」
「それは私も同じです。ここは先代の主人が殆んど殺してしまったのです。」
「!!」
「いまここにいるのは、大蛇丸様とカブト執事、私に、同じ他の従者の3人と桜さまだけですわ。」
「そうなの・・・怖かった?」
「それはもう・・大蛇丸様のお父上に当たる方でしたが・・・大蛇丸様がいなければここは滅んでいたでしょう。」
「そう・・」

「ご心配なさらないで下さい。確かにここは静か過ぎますが、今は安心です。」
「そうね。」
桜と多由也はお互いに顔を見回す。
専用の従者が同じ女でよかった。
多由也も女の子が増えてよかったといっていた。
確かに女一人じゃいやだ。



此処の暮らしも次第に慣れていく。
今までは全部一人で何でもやってきた。
まぁ、一人前の花魁になってからは多少は見習いの娘にはお世話になっていた。
その苦労を知っていたので、ここでも出来る事は一人でしていた。
そんなことすると多由也からは
「桜様!それは私の仕事ですよ!!」
と怒鳴られる。
従者というより、姉妹のような関係だ。
一人っ子の桜にとっては嬉しいことだった。


いの・・元気かな?
多由也の姉御肌をみてて急に思い出した。
木の葉花伝に引き取られて一番世話になったのはいのだった。
元気かな?
泣いてないかな?
なんだか急に寂しくなった。





「此処の暮らしはなれた?」



ある日の夕食大蛇丸は桜に投げかけた。
ここに引き取られてから概に1ヶ月はたってた。
早いものである。
「えぇ・・お母様皆さん良くしてくださいます。」
「そう・・・良かったわ。」
大蛇丸も上しそうだ。

「大蛇丸様ワインをお持ちしました。ありがとうカブト。さぁ皆さんも食べて。」
ここは部下も一緒にご飯を食べる。
人が少ないので一緒に食べたほうが無駄がなくていいらしい。
いつもは静かながらも食事の時はホンワカにぎわっていた。
此処へ来て良かった。
桜は思った。

「そう、桜ちかじか木の葉へ行くけど一緒に行く?お友達いるでしょ?」
「本当ですか?お母様!」
「えぇ。」
「お供させてください。お願いします。」
「いいわ。でも・・桜は元がつくけど他の客に目に付くわね。護衛としてカブトもつけさせるけどいいかしら?」
「はい!大丈夫です。」
「そう・・・木の葉に新しい女の子が来たのよね。」
生娘好きは相変わらずなようだ。



「じゃあ、桜出発は五日後よ」
「はい。ありがとうございます。」

桜は一気に食事を済ませ、ルンルン気分で自分の部屋に向かった。
久しぶりに会えると思うと心が弾む。
何を着ていこうか?!
あまり派手なものはやめよう・・普通で・・・いのたちのいやな顔は見たくない。





















「それじゃいいかしら?」
これから花町へ遺憾とするばかりだった。
「それでは4人とも留守を頼むぞ。」
「三日後には戻ってくるわ。」
「「「「はい」」」」

桜と大蛇丸、カブトは馬車に乗り、花町へと向かう。

「どう桜?久しぶりだからうれしい?」
「はい。お母様ありがとうございます。」
「それにしても・・・私はここへは行くのは初めてです。」
「そうね・・カブトをつれてくるのは初めてだったわね。」
「そうですよ。」

他愛ない話が続く。
此処から花伝へは結構かかる。
半日はかかる。
つくのは夕方だろう。








花伝へつくと大蛇丸は自来也と綱手にお金を渡し部屋へと入っていった。
「桜じゃないか!」
綱手は桜を見つけると駆け寄った。
「残念だったな。もうあいつらは客の相手をしているよ。」
「大丈夫です。暫くここにいるみたいですし。」

桜はカブトと一緒に花伝で借りた部屋にこうとしていた。



「今回の娘はなかなかのものでしたそうですよ。」
「はぁ・・」
「なかなか大蛇丸様も出てこないでしょうね。貴方の時みたいに・・・」
「・・」
思い出した。あの時のこと・・・
「少なからず、僕も君のことには興味がある。」
「!!」
「大蛇丸様にこうやってつれてこられた君をね・・」
カブトはなにくわぬ顔で桜を組み敷く。
「いや!!」
「抵抗しても無理。ここは遊女屋。君が嫌がってもどこかの遊女が嫌がってるにしか聞こえない。」
イヤミな笑い。
jこいつが・・・コレが本当の姿。
「大蛇丸様はね・・・僕のこのギャップの差がお好きらしい。裏表のある人間がね・・・。」
口を押さえられて、服を脱がされる。
「ん〜!!んん!」
抵抗できない。
まさか・・・こんなことになるなんて思ってもなかった。

「僕は大蛇丸様ほど優しくないからね。それに君は元花魁だし?そういったことも慣れてるでしょ?」
下のほうへ手がちらついた。
「やっぱりね。もう湿ってきてるよ。」
「うう・・ん・・」

「何年も体を売ってきた女は、短い期間じゃ快感には勝てないよ。最も一度そうなってしまえば勝てない。」
「ぐ!!」
「大蛇丸様には内緒にしてあげるよ。別に知ったところで大蛇丸様も気にはしないけど・・・。」
なんてやつだ。
しかし最後の言葉が気になった。
「どういうこと?」
「桜君は、大蛇丸様に気いられてここへ来た。この意味わかる?」
「・・・・・!!」

「君は感が鋭いね。」
「まってよ・・・お母様は生娘しか抱かない・・」
「全く持ってその通り。だから君は抱かないよ君のお母様は・・。」
話しが矛盾している。どうなっているの?

「でも僕が抱く。ただそれだけ。了解は得てるんだよ?大蛇丸様のものは僕のもの、僕のものは大蛇丸様のもの」

「やだ・・やめて・・」

せっかく体を売る生活から解放されたのに。
カブトはやめてくれない。
「一つ、忠告しておくよ。」
「屋敷でこんなことがあっても、多由也は助けてくれないよ。多由也は僕の部下だからね。」
「!!」

胸をまさぐられる。
体全体が痛みで悲鳴を上げる。
”僕は大蛇丸様ほど優しくないよ”

カブトの抱き方は乱暴だ。
今までで一番の・・・


部屋に水っぽい音が聞こえる。
桜はできるだけ聞こえないようにその仕打ちを耐えていた。

「凄いね・・桜様・・もうこんなになってますよ?」
「くう・・・うう・・・はぁ・・」
いやなのに感じてします。体は覚えている。快感の感覚を・・・
痛いのを気持ちよさに変えようとしている。


「やだ・・」



「ん・・」


「無駄ですよ。」
「やぁ!!」


途中カブトの顔が見えた。

その顔は狂気に満ちていて怖いものがあった。
あの屋敷のものはみんなそうなのだろうか?




初めて恐怖というものが襲ってきた。



この男の考えていることが、桜にはわからなかった。















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