孤島の華  6





・・・カブトは行為を一向にやめるつもりはなかった。

体が熱くなっている。
慣れというものはいやだ。
もう何回絶頂を迎えたかわからない。


「や・・もう・・何時間・・する気なの・・・」


「いやかい?体はまだ欲しがってるよ。」
カブトはサクラの髪の毛をそっと撫でて面白そうに笑い突き上げる。

「ん!!ん・・・」
「体は大分素直だね。」

コレじゃ・・大蛇丸と二の舞だ。
いや、少なくとも大蛇丸はまだ丁寧だ。
ねっとりしてて放してくれない。
カブトは粗暴で痛くて・・・・


・・・この考え方変わってないね。
桜は少し笑った。
「何を考えてるんだい?」
「・・別に・・・?」

「ふうんそんな事言うんだ?」
カブトは突きを強くした。
「ん!!」
「そうやって、減らず口を叩いてられるのは今のうち。」



まだそんな力が残っていたのか・・・・・
もう限界だ。
桜は視界がぼやけてきた。
気が遠くなる。













薄れる中ぼんやり部屋の空間が見えた。
朝が来るまで桜が目覚めることはなかった。





「ん・・・」

気がつくと自分はちゃんと布団で寝ていた。
浴衣に着替えさせられている。


「桜?!」
ガバっと襖を開けられた。
「いの!!」
いのだった。
「桜!久しぶり。私今からお風呂入りに行くんだけどどう?」
「行くわ、私も入りたかったのよ。」

いのはヒナタとテンテンを誘い、4人で風呂に入った。
やはりその後のとこは聞かれた。
皆は相変わらずらしい。
不謹慎とは思ったが、此処に戻りたいなって桜は思った。


明日には帰る桜のためにいの達は今日休みを貰った。
せっかくなのだからと、綱手の許しが出たのだ。
今思えばこう、4人で遊びに出るなど見習いの時以来だった気がする。
一人前になってからは、何かと忙しくて都合のあう日がなかった。


楽しい時間は早く過ぎていくものだ。
気がつけばもう夕刻だった。
花伝に戻ると、大蛇丸とカブトが待っていた。
「お帰り桜。」
「ただいま・・。お母様」
「さぁ、桜様部屋に戻りましょう。明日は早いですからね。」

「じゃあね皆」

桜はいのたちに別れを告げた。
「カブト・・・私は別の部屋で自来也たちと飲んでるから先に寝てていいわよ。」
「そうですか、わかりました。」

またカブトと二人きりになる。
イヤだ・・・
「大丈夫ですよ?桜様」
「・・・」
「明日起きられなかったら大変ですからね。」
・・・・でもいやな予感だ。



広い部屋に二つの布団。
間にスペースはない。


「お休み。カブトさん」
桜はそっぽ向いてすぐ寝てしまった。

「あぁ・・・お休み桜さま。」


「今日はしませんよ・・・明日から楽しみですね。」
カブトは眼鏡をはずして自分も夢の世界へと彷徨った。




桜が起きるともうカブトの姿はなかった。
さすがずっと上のものに使えているだけあって早起きだ。
桜は早起きが苦手だった。
花伝にいた頃は昼と夜が逆転し、朝寝る習慣がついてしまったからだ。

最近になってやっと朝起きる生活に慣れてきた。
何年もそうしていたから時間がかかった。

支度をして玄関へ行くともうカブトと大蛇丸はいた。
「おはよう桜。良く眠れてかしら?」
「ええ・・・おかげさまで。」
知らずにカブトへ視線を送った。
カブトはさほど気にしていなかったが・・・。


「じゃあ、帰るわ。綱手、自来也。」
「おう。」
「ああ、桜も元気でな。」

三人は用意してあった馬車に乗り、屋敷へと帰っていった。


「どう?桜。久しぶり友達に会った感想は?」
「ええ・・・とてもよかったです。一緒に連れてってくださってありがとうございました。」
「そう、それは良かったわ。」

最初は花伝の話題が多かったが、大蛇丸もカブトも、もともと口数が少なかった。
桜は接客の経験もあるが、今は客を相手にしてるわけでもない。
話に疲れて黙っている。
屋敷に着いたのは夕刻より少し前だった。

大蛇丸はいっつも此処まで来てあんなことをしているのだろうか?
まぁ、頻繁に行くわけでもないし、いいのかもしれない。
屋敷つくと、多由也達が待っていた。
「お疲れ様でございます。旦那様、桜様、カブト様。夕食の用意ができていますが、いかがいたしますか?」
「せっかくだから、先に頂きましょうか?」
「そうですね。」
「はい。」
皆同じ意見だったので先に食べることにした。


「どうしたの桜?あまり顔色がよくないわね。」
「え・・・そうですか?」
「大蛇丸様、桜様は長旅できっと疲れているのですよ。」
誰のせいでこんなにも気分が優れないのによく言うわよ。と心の中でカブトに投げかけた。
「そうかも知れないわね。あそこまでは半日はかかる。」

「いいえ、一晩休めばよくなりますわ。お母様。」






食事を終えて部屋に戻る。
このままではすぐ寝てしまいそうだ。
気が利くことに多由也はお風呂の用意をしてくれていた。
丁度いい、このまま入ろう。





桜はここのお風呂が好きだった。
大蛇丸の趣味なのだろうか、湯船には花びらが浮かんでいる。
この前は綺麗な西洋の花だったらしい。名前は確かバラと聞いた。
今日は匂いでわかる。金木犀だ。
この良い匂い。疲れが取れていく。

ガラッ!!

ドアを開く音がした。
この屋敷は男湯女湯と分かれているのできっと多由也だろう・・。





「!!」

「やぁ・・」

「なん・・ここ・・女湯・・」
「多由也が入るのはまだ後だよ。」
「そんな問題じゃ・・!」

桜はすぐあがろうとしたが、捕まってしまった。
「駄目ですよ。僕に捕まった人間は逃げられて事はないです。」
「んん!!」
体を引き寄せられて唇をつかまれた。

「駄目ですよ桜様。君は僕から離れられない。」
「・・はあ・・・ん」
まさかこんなところで、こんな行為をするとは思ってもみなかった。
どうしてこんなことになってしまったのだろう?

「どうしたんです?ここ・・ぐちゃぐちゃですよ?」
この人は意地悪だ。
はぐらかして、欲しているものをなかなかくれない。
「ん・・・あぁ・・・」
壁に這い蹲って喘ぐ自分はなんて淫らなんだろう・・。

「ふぅ・・・あぁ・・。」


これからずっとこんなことが続くのだろうか?

「あう・・・!!はぁ・・」
与えられる圧迫感が心地よくて、どうしよう。
逃れられない。いやだ。


「桜様?どうしました?そろそろ正直になっては?」



体は火照って息が荒くて、思考回路が回らない。
体が言うことを聞いてくれない。
どうして?
「やめて・・・」
「ナンです?」

もうあの頃に戻りたくない。
体が慣らされてきて抑えられない。



「ん・・・!!」



「桜様・・・」



カブトは後ろから桜を抱き締めて耳をかんだ。


「はぁ!!」

もう・・逃れられない・・・。













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