孤島の華  14





「桜、少しは慣れた?」
「ぼちぼちね。」


桜は買い物に来ていた。
そのときに頼まれたものも多いため、サスケも一緒に来ていた。
すべて買うものも揃いもう帰るところだった。


「兄貴とはうまくやってるの?」
「そうね・・・」


ついこの間社交界が終わったばっかりだ。
まさか帰り際あんなことになるとは思っていなかったが・・・・・
抱きしめられたあと誰もいないのを良いことに、イタチは桜を抱いた。
いきなりで、外で・・・

抵抗したがそのまま流されてしまった。
あの人には逆らえない・・そう悟った。



「桜?」
「あ・・ごめんちょっとボーっとしてたよ。」


桜とサスケがこうしているのもなかなかない。
桜もほとんどイタチについていったりする機会が多かったので義理の弟とこやって話すことがなかった。

「兄貴は結構、不器用で口数すくないから誤解することもあるけど・・」
「大丈夫よ。サスケ君それはわかってる。一緒にいるようになってそれはわかった。」
「・・・なぁ桜。」
「なぁに?」

「兄貴のこと好きか?」
「やぁね!当たり前じゃない。姉をからかうもんじゃないわよ。」

桜は笑いながらサスケの肩をたたいた。

「”姉”って言っても同じ年だろ?」
「そうだったわね。」
桜は前を見据えて歩いた。
そんな桜の姿をサスケは横目で見ながら方を並べる。

「サスケ君は・・・好きなことかいるの?」
「・・・・・わからない。」
「そう。でも出来たら教えてね。私応援してるから!」
「な!!」
「赤くならない。赤くならない。・・・・・あ!もうこんな時間イタチさんそろそろ帰ってくる時間だわ。」
「!」
「ごめんねサスケ君。私先に帰るわ。サスケ君はゆっくりでいいから!」


時間を気にし、桜は慌てて走り出した。



「・・・・・”弟”じゃねぇよ。俺だって・・・・子供扱いしやがって!畜生。」



桜は急いだおかげでなんとかイタチの帰宅前についた。
「あら、お帰りなさい桜様。サスケ様は?」
「サスケ君、あとからゆっくり帰ってくるわ、イタチさんはもう帰ってる?」
「いいえ、イタチさまはまだお帰りにはなられてないです。」


その言葉にほっとした桜は胸をなでおろす。
そのとき丁度イタチは帰ってきた。



桜の顔が急に明るくなった。
「お帰りなさい」
人前だというのに桜は思わず抱きついてしまった。

「ただいま。」
イタチは一瞬戸惑ったが、すぐに桜の腰に手を回し部屋へと行こうとした。








「おや、サスケ様もお帰りなさい。」
メイドの声に気づきドアの方を見ると、サスケがいた。


「どうやら兄貴より早くついたようだな。」
「ごめんねサスケ君・・。」
「いいよ。気にしない。」

サスケは買い物の荷物をバサっと使用人に押し付けて部屋へ行った。


「なんなんだ?アイツは・・?」
「あ、私ねサスケ君と買い物行ってたんだけど、イタチさんの帰る時間だから先いちゃったのよ。」
「そうだったのか・・」

イタチの顔色が少し変わった。


「イタチさん・・・?」
「悪いなんでもない。桜も無理にあわせようとしなくてもいい。頑張りすぎると体を壊す。」
「ありがとう。あ、っちょっとまって!」
桜はその場を去ろうとした使用人を引きとめ、自分がかった店の袋を取り出した。

「荷物・・・サスケ君に持ってもらってたままだったわ。あとでお礼言っておかなくちゃ。」

























「あ・・・これも桜の荷物だった。」
自室へ戻ったサスケだが、まだ桜の荷物が残っていた。
彼女に似合いそうな桜色の髪飾り。
小さいものだったから、他の袋と入っていて取り出すのを忘れていた。

「・・・面倒だけど、届けに行くか・・。」
よっと腰を上げて、広い廊下を歩く。

イタチとサスケは前は隣同士だったが、桜が来たためイタチは二人で使える広い部屋に移った。
「・・・別に返すだけだしいいよな?入っても・・。これはもともと桜の・・」










「サスケとどんなところへ行ってきたんだ?」
「え・・?」
イタチの背広をクローゼットへしまい、服をたたんでいるときだった。

「普通に、木の葉通りを歩いていたのよ。やっぱり視線とかは気になったけど・・・」
「大丈夫だったのか?」
「ええ、私は貴方ほど有名じゃないわ。いくらサスケ君がいたとしてもも、貴方の比じゃないわ。」
なんだ・・心配をしてくれてたのか、桜は急に冷や汗をかいたがただのイタチの心配だったらしい。
ほんと、サスケの言うように時々だが、誤解をされるような言動があるなと思った。


「!」
イタチは桜を抱きしめそのまま倒れた。
「イタチさん・・・・・?」


イタチは何も言わずに桜の服を脱がしていく。
器用に脱がし、いたるところにキスをした。
「んん!!」

声が曇る。
こうなってしまえばイタチのペースだ。
何も出来ない。














「えっと・・兄貴の部屋たしかここだったと思ったんだけど・・・。」
サスケは桜の髪飾りを手にドアをノックしようとしたが、やめた。

中から聞こえてきた声が尋常ではなかったからだ。


「ぁぁぁ・・・・・!!」

「っ・・・・・ふぅ・・・・・」



サスケは驚いて持っていた荷物を落としてしまった。
これは桜の声だ。

別に二人は夫婦だし、一緒の部屋だし・・・・・


サスケは冷静になろうとするが、なかなか出来ない。
さっきまで一緒にいた桜が今はイタチの腕の中にいるのだ。

響く桜の声にサスケはいたたまれない気持ちでいっぱいになる。
こんな時にドアをたたくなんて馬鹿な真似は出来ない。
ゆっくりゆっくり足音をだてないように歩いた。

もう桜の髪飾りのことなんてどうでもよかった。
今はここから離れたかった。
少し離れたところでサスケは一気に走り出した。


まだ心臓がバクバクいっている。

”サスケ君は・・・好きなことかいるの?”
”出来たら教えてね。私応援してるから!”



「アンタに応援されたって意味がない!」


部屋に入るなりベッドにねっころがった。
考えては駄目だ。


「あいつは・・・桜は・・・・兄貴のもんだ。」




好きになっちゃいけない・・・・・・・・・・




















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