孤島の華  15





サスケは昼に桜が買った髪飾りを落としたのも忘れて慌てて、部屋に戻った。


ベットに横になってもドア越しに聞こえる桜の声が忘れられなかった。
艶やかな声が篭って響く。


サスケはなかなか眠ることができななった。























イタチの腕のなかで桜は眠っている。
今の時間は早朝だ。

サスケと買い物に行っただけで嫉妬してしまったことに気づく。
「私もまだまだだな。」
ぐっすり眠る桜に、イタチは耳の所に優しく愛撫をすると桜は少し反応を見せた。

支度をすませて部屋を出た。
部屋を出ると足元に何かが転がっていた。
小さな紙袋中をあけてみると、綺麗なピンクの色をした髪飾りだった。
一目見て桜のものだとわかった。

きっと昨日の買い物の帰り、部屋に入るときに落としたのだろう。
イタチはまた部屋に戻り、桜が寝ている枕元においておいた。

「ん・・・イタチさん・・」
「おはよう。桜。」
どうやら桜はおきたらしい。
眠い目をこすりむくりと起き出した。

「桜まだねててもいい。まだそんな時間じゃない。」
「でもイタチさんは起きてるわ。」
「そうだね。」
「イタチさんも寝てましょうよ。」


桜に誘われて仕方が無い。
イタチはふっと笑い、上着を脱いで桜の隣に入り眠りについた。
二人が目を覚ますのはこれから2時間後である。










サスケは朝、イタチと桜に顔向けが出来なかった。
別に二人は気づいてない。自分がいつもどおりにしていれば、大丈夫だ。
席につけばもうイタチは座っていた。
「兄貴、おはよう。」
「ああ、おはようサスケ。」
いつもと変わらない兄弟の挨拶。
あとからフガク、ミコトと桜がくる。


それからそれぞれ自分達の仕事に就くのだ。
フガクは統治はすべてもうイタチに任せている。
ミコトもフガクと一緒に、ゆっくりな生活を送っていた。


桜も結婚し始めは、うちは低での挨拶や各国での儀式などで出かけることも多かったが、今は家でのんびりしている。
大蛇丸の館にいたときと変わらない。
ひっそりしてイタチの帰りを待っていた。
今ではすっかり若奥様さんて言葉が似合うようになっていた。


そんな桜のヒマを埋めることが出来たのは、ミコトとの買い物やサスケとの家での馴れ合いだった。
もちろん今でも、大名の后としての勉強はまだ受けている。
それはミコトも同じ。
中世の上流貴族のような生活だ。
時々、本当にこれでよかったのかわからなくなる。
裕福で何一つ不自由しない生活。夫もいて暖かい家族もいる。


「若奥様、今日の歌はとてもよかったですわ。」
「ええ・・ありうがとう。」


ピアノの伴奏が終わり、桜の声もやんだ。


歌もつまらなくなっていた。
イタチと結婚することは並大抵の意思が無ければ勤まらないと、大蛇丸から言われていた。
それは覚悟していた。
イタチは桜と結婚したと同時に火の国の大名となた。
周りから見れば羨ましいほどこの上ない話・・でも桜は・・・
桜は心から喜べなかった。

確かに、イタチの事は愛している。
それは真実。
いまでもイタチを前にすると胸がときめく、心が躍る・・・嬉しい。
桜はきっと普通の生活でイタチと一緒にいることを夢見ていたのだ。
それは叶わぬ事だというのに・・・


おかしいね。
桜は部屋に戻ってベッドにもぐった。
まだ時間は午後。

お金持ちはみんなこうやって遊んで時間をつぶしているのだろうか?
変なパーティーはよくあるし、イタチは違うがお金持ちは娯楽欲の塊ねとサクラは思った。
つまらない。
大蛇丸邸のように花を摘んだり、お茶を飲んだりすることも出来るがいい加減飽きてしまった。
明日は確かイタチはしばらくオフだ。
これでやっと二人でのんびり出来る、サクラは早く明日にならないかとそのまま寝てしまった。
















サクラの目が覚めないまま時間はも夕方だった。

部屋にドアの開く音がしたが、サクラは眠ったままだった。
夫のイタチがベッドでうつ伏せになって寝ているサクラを見つけると、着ていた上着をサクラにかけてやった。
横に座ってサクラがおきるのを待っていたが、イタチが座った振動でサクラはおきてしまった。


「あれ・・・ん・・・。」
「目が覚めたか?」

「・・!!!・・今何時?!」
「大丈夫まだ夕方だ。」
「そ・・そう・・。」

「そんなに驚かなくても良いだろ?」

イタチは少し微笑んでサクラ頭をなでた。
「ただいま。サクラ。」
「お帰り・・イタチさん。」


あぁそっかしばらくはイタチと一緒にいられるんだ。
サクラはそう思うと自然と嬉しくなる。

「サクラ・・お前どこか行きたいところはあるか?」
「え・・?特に考えてなかったけど・・」
「そうか・・なら別荘にでも行くか。」

イタチの一言にサクラは大喜びした。
旅行なんて事、火の国に遊びに行く程度のものだったので本格的には初めてだった。






















「わぁ・・イタチさん見て!景色がすごいわ。」
「あぁ・・そうだな。ここは何度か行っているが私も気にっている。」


別荘の窓から見える綺麗な景色に桜はおおはしゃぎだ。
イタチもそんな桜を見て、連れてきてよかったと思った。
最近はゆっくり二人の時間を取ることが出来なかったので、桜の機嫌もよくなるだろ。

「ありがとう。イタチさん。私のこと気遣ってくれて・・。」
「当然のことだ。言ったろ?幸せにすると・・・・。」

「はい・・・。」



二人はしばらく外で森を散歩し、イタチお勧めの眺めのいいところへ向かう。
火の国より離れ、他の国からも遠い、人里はなれた大自然の中にいる。
その壮大な景色に桜は感動を覚えた。


うっとりとした気分で帰ると、別荘の管理人が暖かい夕食を用意して待っていた。

幸せな気分だ。
こんなひと時は結婚式の時以来だと思う。

夫婦水入らず旅行なんて出来ると思わなかったからなおさらだ。
イタチは優しい。
家の事、少しは不安はあったけど姑のミコトもいい人で、義理の父フガクも厳しいがよくしてくれている。
同じ年で弟になってしまうサスケも、イタチがいない間は助けてくれている。

自分は幸せ者だなとしみじみ思う。




まだまだ数ヶ月しかたっていない自分達はまだ新婚だ。
あまりお付き合いの無かった二人だからこういったことが新鮮に感じる。



「桜・・・おいで・・。」


イタチの心地よい声が響いた。


別荘の管理人は離れの家へともう帰っている。
いまここにはイタチと桜しかいない。

この大きな手が好きだ。
暖かく包み込んでくれる。


「イタチさん・・・。」

引き寄せられイタチの胸に飛び込んだ。
そうなってしまえばもう後は簡単。

苦しいほどの濃厚なキス。
蕩けそうになる。

「すまない桜・・・久しぶりのせいかあまり加減が・・・。」
「大丈夫よ。」

イタチの腕の中で桜はイタチの頬をなでた。
それが合図かのように、イタチは桜の服を脱がし始めた。
どうやら本当に我慢が効かないらしい。

イタチはいつもより少し乱暴だ。


「イタチさん・・あ・・いた・・」

胸をかじりつけられ、大きく歯形が残る。
二の腕、お腹、歯形だけじゃない、きつく強いすいつけが痛みを伴い、痕がいつもより深紅に染まる。
いつもの甘い時間が今日は、遊女のときの乱暴な客に当たって少し苦しい状況だ。
それでも慣れてしまっている自分に、嫌悪した。

「んん・・は・・・つ・・・」


少し乱暴なイタチの愛撫にも桜は反応を見せた。
指を粗暴に動かしているのに下部はもう、湿り気を増すばかりだ。


「桜・・・。」


いつも冷静なイタチが、戸惑うように詰まった声が聞こえる。
表情も苦しそうだった。
「桜・・・」


「イタチさん・・私・・大丈夫だから・・」


拒否をする理由なんて無い。


半脱ぎ状態の二人だったが、全てを脱ぎ捨てて二人が入っても余るぐらいの大きなベッドにもぐる。

秘所が十分濡れているのを確認して、桜の足を開かせた。
「・・・」
「行くぞ・・・桜。」


「ああ・・・!!」



久しぶりの行為で、なれるのに時間がかかった。
大きな快感に逃げたくなった桜だが、イタチはそうはさせないとしっかりと桜をつかんでいた。
イタチは桜の中にはいったら尽かさず動かした。
強く、大きく・・・・・


桜のことをかまわず自分のいいように


「や・・!!やめ・・・痛い!!」


まだ感覚が戻ってきていないのか、桜は痛みを伴っている。
本当は優しくしてあげたいがそんな余裕も今のイタチには無かった


「桜・・・。」



「んん!!・・あぁ・・」



「桜・・・いくぞ・・」

「え・・・あ・・・や・・」


イタチは己の欲望をそのまま中に出してしまった。


「はぁはぁ・・・・イタチ・・さ・・・え?」


それでも足りない位イタチはまだ冷静さを失っている。


「桜・・・・。愛している。」




イタチは桜を明け方まで放さなかった。














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