孤島の華   19





桜はそのまま夜までここの部屋で休むとこにした。


目が覚めてだいぶ時間が経ったが、体の違和感はまだ消えることはなかった。
イタチはいつも優しく抱いてくれていた。
何かイタチにしてしまったのだろうか?
思い出しても見たが、桜には全く心当たりはなかった。



「・・・・イタチさん・・・。」



昨夜のイタチは、今まで見たこともないくらい怖い顔をしていた。
初めてだった。
イタチに対して今は恐怖感しか出てこない。

「・・なんでかしら・・。私、特になにも・・。・・・!」



ドアをノックする音がした。
お茶と、少し食べるものを持ってきてくれたようだ。
考えてみたら、まだ何も口にしていなかった。
とりあえず、今は食べて後で訳を聴いてみようと桜はそう納得した。

桜はここにいることを告げ、夕食になったらまた呼んできて欲しいと伝え、また横になった。















「・・・・・桜のヤツ大丈夫だったかな・・。」

サスケはイタチの尋常でなかった瞳を目の当たりにし、きっと昨日は桜に無理をさせたのは分かっていた。
だが、二人の部屋に桜の姿はなかった。
聞いてみたら、場所を変えたといっていた。

「くそ!広すぎて、どの部屋にいるのかわかんねぇ!!」



丁度、一人のメイドとすれ違った。
食事を持っていった様子だ。
良く見ると、紅茶が桜の好きな銘柄だった。


「おい!」

「はい、何でしょう?サスケ様。」
「その食事、桜にもっていったのか?」
「はい。そうです。」
「どこにいる?」

サスケの険悪は表情に、メイドは怯えながら桜の居場所を言った。
サスケは教えてもらうと、礼を言わずに走り出した。








「桜!!」

サスケはノックさえするのを忘れて、ドアを乱暴に開けた。
ベッドで寝ている桜を見つけた。
そばへ寄ってみると、規則正しい寝息が聞こえる。
桜の顔は、良く見ると目下に隈ができていた。
目じりも少し腫れている、きっと自分のせいで酷い目にあったのだろう。


イタチに抱かれれている桜を想像するだけでぞっとする。
早く自分のものにしてしまいたい。
時間がかかれば、かかるほど、桜はイタチに乱暴にされるのだから・・・。


「桜・・・早く自覚しろ。お前のやってることって・・・・」


「ん・・・・。」


髪の毛に触れようとしたら、桜の意識が戻った。

「あれ・・・サスケ君・・。」
「よぉ、桜・・おはようじぁない時間だけど、おはよう。」

「今何時?」

「・・・もう夕方なるぜ。」
「うそ!!」

夕方という言葉を聴いて、桜の意識ははっきりとさめた。

「あ・・桜・・お前・・・」
「え?」

桜は夜、イタチに抱かれたまま寝てしまった。
メイドが食事を持ってきてくれたときも、ベッドの中にいたのだ。
それに、自分の部屋ではないため今着るものも持っていない。

「あ・・・あははは!!ごめんなさい。私ったらはしたない。」
「別にいい。どうせ兄貴のせいだろ。これ着ろよ。」

サスケは自分の着ていた上着を桜に投げた。

「ありがとう。サスケ君。」


「・・・大丈夫か?なんか体の調子悪そうだな。」

サスケは訳をしってて意地悪な質問をする。
桜は一瞬戸惑ったが、サスケの上着を着終わった後、普通にしゃべった。

「やっぱりバレバレか・・・。ね、サスケ君、イタチさん最近仕事うまくいってないの?」
「別に・・・普通かな?兄貴が仕事うまくいかない時は・・・・そうだな、相手の悪口そ少し言うだけで、あんまリないしな・・。」

「イタチさん、なんか様子が変なの。なんでかしら?サスケ君なんか思いあたることある?」
「・・・・知らないな・・。」

「そっか・・・ゴメンね。変なこと聞いちゃって・・。」
「別にいい。兄貴はなかなか感情をうまく表現できないから、直接聞いた方がいいと思うぜ。」


イタチの不機嫌な原因は本当は知っている。
もし、言ったら桜はどんな顔するだろうか?
悲しみに満ちた顔して、そんなことないとイタチに言うのだろうか?
そんなことさせない。
このまま知らないまま、俺と接してて欲しいと思った。

「ありがとう、サスケ君。でも、怖いな・・・・直接聞くの・・。」

今までが優しかった分、一度恐怖心が募るとなかなかソレを崩せない。


「桜・・・・そんな顔するなよ。」
サスケは桜の頬に触れようとした、そのときだった。





「桜・・・・体調が悪いと聞いたが、大丈夫か?」






「・・イタチさん・・。」


イタチは今の光景をどう整理したらいいのか分からなかった。
長いこと二人でいたのか?
桜の着ている上着は、あれはどう見てもサスケのもの。
サスケの手は桜のちょうど頬に当たる。

二人は今までなにをしていた?


「イタチさん・・お帰りなさい」

桜はベッドから出てイタチのところへいったが、イタチはちっとも嬉しくなかった。
それどころか、怒りがこみ上げてくる。

「サスケ・・今までここにいたのか?」

「・・・そうだけど?」
「そうか・・。」


「イタチさん?」

さっきから目を合わせてくれないイタチに、桜は恐る恐る名前を呼んだ。

「あぁ・・ただいま桜。いこうか、早く着替えろ。」

イタチは無理やり桜のの手を引っ張って、部屋を出て行った。


「・・・・兄貴、毎晩だと桜のヤツ壊れるぞ。」

サスケの言葉など、聞こえるはずもなかった。



イタチはご飯は、持ってきて欲しいときに頼むと根回しをして、桜の着ているサスケの上着を脱がせた。

「イタチさん?!」
「・・・・お前は分かってこういったことをしているのか?」

「え・・・なに?どういう・・・」
「少しは、私の妻だという事の自覚をもて!!」


イタチはまだ、何もしていない桜の秘所に自分を入れようとした。

「!!・・・イタチさん?!」

桜はイタチのいきなりの行為に、戸惑い抵抗するが力では勝てなかった。
桜が裸の中、イタチは洋服の一枚も脱いでいない。
この状況がいっそう、桜を羞恥へと追い込んだ。

「いや・・やめて、イタチさん・・!!」

イタチは聞く耳を持たずに、一気に桜の中に入っていった。


「いやぁぁぁ!!痛い!・・・あ!!」

痛がる桜の言葉も気にしない。

「桜・・・お前が悪い!私以外の男の服などきるな!!」
「そんな・・でも・・あれは・・」

「口答えは許さん。いいか!お前は俺の妻だ!私以外の男の目にとまることは許さない!!」
「いやぁ・・・・」

桜は恐怖感でイタチが言っていることなど、分からない。
ただ、どうしてこんなことになってしまったのか?と頭の中でグルグルまわっていた。
体中が痛い。
やめて欲しい。

それでもイタチの動きは止まらない。
イタチが己の限界に達するまで続けられ、桜の秘部からは血が出ていた。
昨日に続いての乱暴な行為で、桜の体は限界まで来ていた。

「・・・助けて・・だれか・・・」


桜の小さな悲鳴は聞こえない。



「助けて・・・・さ・・・・・・」




桜は何かを言いかけて、気を失った。



”助けてサスケ君”


頬は腫れ上がり、目じりは昨夜よりもまして赤い。
イタチは、動揺と怒りで桜の言葉は聞こえていなかった。

聞こえていた、いなかったどちらにしても同じだろう。
イタチの頭の中では、桜とサスケは・・・・・


「桜・・・・桜、お前は私のモノだ。決して誰にも渡さない。私だけの華。」


イタチは気づいていないのだ。
自分自身が、状況を悪い方へ進めていることを、
サスケの策略にはまっていることを・・・。


ドアの向こうでサスケが、口角を上げてニヤついているのを

全てが仕組まれているのを気づいていない。

もう、桜にとってイタチは、恐ろしい存在意外何者でもない。






















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