ノスタルジア    4




「サクラもクロメ君も、言いたいことがあったらはっきり言ったほうがいいわよ。」

久しぶりにいのとシカマルに会ったサクラは、カフェでお茶をしていた。
そこには偶然会ったクロメもいる。
久しぶりの休日で、サクラもクロメもお互い恋人との約束事をしていなくぷらぷら出てきた。
そこへ丁度4人がばったりあったのである。


「ねぇ、二人共聞いてるの?」
いのは最近のこの四人の失態には心配で仕方ないのだ。

シカマルもいつもと違ってなんか微妙な顔つきもしている。


「「・・・」」
サクラとクロメは何も言わない。
「言わないと・・・わからないことだってあるんだよ?」



いのは深くため息をつく。
シカマルもなんだか他人事ではないような感じで、心配そうだった。


いつもだったら、サスケ・サクラ・いの・シカマルの4人でにぎわうカフェも跡形もない。



「私・・・もう帰るわ。」

「俺も・・」


「ちょっと・・・!!」

いのは引きとめようとしたが、二人の表情があまりにも暗すぎてこれ以上いえなかった。
二人が去って、いのとシカマルだけが残る・・・。


「シカマル〜。」
「・・・・・俺達じゃ・・・無理だってことだよ。肝心なサスケとヨルが気づいてあげなくちゃいけない。」
今にも泣きそうないのをシカマルは優しく抱き締めた。


「シカマルは・・・駄目だよ。アンナこと・・・」
「大丈夫だって、他の女なんて面倒くせぇよ・・」




















次の日、サクラたちの朝は早かった。
暗部の集う箇所でクロメは悲惨な顔をしていた。

「クロメ、お前顔色すげえ悪いぞ。大丈夫か?」
クロメ自身もどことなく鬱な感じがしているのはわかっている。
体じゃない。
心なのだ。


「春野〜。お前のところの様子が可笑しいぞ。」
「え?」
サクラはクロメのところに駆け寄った。


「サクラ?」
自分の位置からサクラが離れたサクラにサスケは同じく歩み寄る。
「サスケ君。クロメ君の様子が可笑しいの・・」



「なぁ・・サクラ。」
「何?サスケ君。」

「お前も・・・クロメと同じくらい顔色悪いぞ・・・。」


「え・・・?」

サスケは少し心配そうな顔だった。
「大丈夫よ。サスケ君。」
サクラは笑顔を作って元気なところを見せた。

「今日は演習だけだから、クロメとサクラはゆっくり休め。隊長命令だ。」


そんな事言われてしまってはそうせざるを得ない。












「大変ことになっちゃいましたね。」
クロメはつぶやいた。


「僕・・・もう限界なんです。」
「クロメ君?」

二人は演習場所を二人で帰っていた。
”火影のところにいって診てもらえと”

べつに体が悪いわけじゃない
心だ


「ヨルのこと好きで好きで堪らない・・・だから・・・・・・」

「・・・」

それはサクラにも気持ちは痛いほどわかる。
「私もそうよ・・・サスケ君が好きだから、近づいてくるヨルちゃんを時々殺したくなる・・」






「あ・・ごめんなさい。クロメ君の前で・・」



クロメも苦笑いをしてそのことを否定した。


「俺も・・・似たようなものですよ。サスケ先輩にへんな嫉妬してて憎いから・・・。」






「サクラ先輩・・。」
「何?クロメ君。」




「俺達って似たもの同士で理解者ですね。」


サクラはうっすらと笑った。



「・・・・そうね・・・。」


今二人はとんでもなく、心の闇に囚われているんだと思う。









あれから数日だたったが、クロメとサクラの顔色は悪化するばかりだった。



相変わらずサスケとヨルは変な感じで仲良しだ。
決して恋人とか思いあってるってわけじゃないのにね。

お互いの相手が自分に持ってないものをもっていてコンプレックスを感じているんだ。



そんな闇から、クロメはサスケに冷たくなり

サクラはヨルに冷たく当たるようになった。




そんな感じをサスケとヨルはうすすす感づいていた。



こんな時は二人はすぐとある人に相談を持ちかけるのだ。


サスケはこんなことナルトに言ったら
「お前が悪いってばよ!」なんていわれるのもいやでシカマルに・・
ついでにサクラが最近元気がないから、いのにかんくぐって貰おうと思ったのだ。

しかし、サスケとあったのはシカマルのみだった。


「いのは・・?」
「あいつは他のこの相談役だ。」
「あいつは頼りにされるからな・・・」

うっすらと笑みを浮かべた。










「山中先輩・・最近クロメが冷たいんです。私・・・心あたりなくて・・」


一方いのは、ヨルの相談役となっていた。

「・・・」

いのはせっかくのシカマルとのデートを潰されブスっとした顔だった。
しかも、他の子だったらともかく何で親友の最大の病の種とあわなきゃいけない、という気持ちがいのの機嫌を悪くさせていた。


「自覚なしね・・・。」
いのはため息をついた。
まぁこのタイプの娘は、自己中心的なこが多いから無理もない。
いのは半分あきれている。


「え?ナンですか?」
「なんでもない・・」



大人しく恋人といちゃイチャしてればいいのにね。



「・・・・アンタの心の中にきいてみなさいっての・・」


いのはヨルにも聞こえないようにつぶやいた。












「話すなら・・・手短にしてくれよ・・」
シカマルはメンドクサそうにつぶやいた。


「サクラがなんか様子が可笑しい。」
「で?」
「冷たいし、なんか隠してる。問い詰めても何も言ってくれない。」




シカマルもいのと同じく深いため息をついた。







全くこいつらは感じなことがわかっていなさすぎる。




とても単純なことなんだ。


どうして、気づいてあげれないんだ?
とっても単純こと


それは相手を思いやる気持ち


「好きだよ。」

の一言






ヨルとサスケはきっと当たり前に慣れすぎてきっと忘れている・・・。


















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