ノスタルジア 5 サクラはいの達と会った帰りにサスケに会った。 サスケは買出しだったのか。スーパーのビニール袋が手にぶら下がっていた。 「サクラ・・・この後どっか予定とかあるか?」 「ううん・ないけど。」 「よってくか?」 「うん。」 サスケの家まで会話は殆んどなかった気がする。 途中、映画館の通りを通った。 今上映中の映画が、巨大なポスターで貼り出されている。 「映画か・・・いいかもね・・。」 「ん?」 「ん・・映画・・いいなぁと思ったの。」 「そうか・・・。」 口数の少ないサスケには丁度いいと思った。 「サスケ君。映画いこうよ今度」 「いいぜ。」 「私コレみたい!!」 「ああ・・わかった今度の休みな。」 「うん!!」 久しぶりのデートでサクラは嬉しくなった。 それからはサクラの会話が弾み、いい雰囲気となった。 久しぶりにサスケの家に入ったサクラはそのままサスケの家に泊まることにした。 ご飯もサクラが作り、そのあとそういう行為に至った。 別に普通に仲睦まじき恋人同士なのだ。 ただ不安が消えないどうしたらいいのかわからない。 可笑しいね。 こんなに近い距離にいるのにこんなにも遠いの。 ・・・・・サスケ君・・・私・・・サスケ君が見えないよ。 埋もれて見えない。 夜に埋もれて見えない 真っ暗で・・・ 灯がぼんやりゆれておぼろげにしか見えないの。 次の朝、サクラはサスケの家から任務に向かった。 暗殺任務が終わり、火影への報告も終わり帰ろうとしたときだった。 「サスケ先輩!」 ヨルが手に何かを持って近づいてきた。 「なんだよ。」 いつも道理サスケは少し不機嫌そうだった。 「コレあげる。」 「・・・これ・・・」 見てみたら、サクラが見たいといっていた映画のチケットだった。 「ね?いかない?」 その口ぶりは何? 気づいたサクラのクロメはヨルに視線を向けた。 今の言葉はなに? 自分の恋人の前で人の恋人に誘いをかけてるの? サクラはまず、その神経を疑った。 クロメの瞳はキズがついたガラスだまのようだった。 断って・・・・・ サクラとクロメはそんなことをひたすら祈っていた。 「せっかくだから使ってやるよ。」 期待していた言葉と反対の声が返ってきた。 なんで? どうして? その日サクラはどうやって自分の家に帰ったのかわからなかった。 凄くショックだ。 部屋に入るなり、ベッドにもたれ込み、シーツを己の涙で濡らした。 一晩中泣き明かして眼が赤い。 写輪眼のように赤い。 こんな時でも、サスケの連想が来る自分に呆れた。 何とか感情を殺して任務をしていった。 気がつけばその問題の休みの日になっていた。 映画のデートの時はいつも決まっている。 映画館の前の噴水の前で午前11時に待ち合わせ。 映画を見てから、遅い昼食を食べる。 そのスタイルを長年かえずにしてきた。 別に、今度の休みが今日だなんていってない 時間だって「いつもの」なんて約束はしていない でも足が動く。 気づけばいつもの待ち合わせ場所に行っていた。 少しいつもと違う服を着る。 上忍だって、人殺しの任務をして血なまぐさいけど これくらは許して欲しい・・・ 「待った?」 顔を上げたが、別の人だった。 「遅いよ〜。」 「ごめん。ゴメン。」 他のカップルが待ち合わせを済ませ、建物の中へと入っていった。 「来るわけないよね。ちゃんと約束してなかったし。」 きっと今頃は・・・ 脳裏にサスケとヨルが浮かんだ。 考えて頭を振り、現実に戻った。 私一体何やってるんだろう? こんな惨めな思いをしてまで何待ってるんだろう。 ねぇ・・・来てよ。 いいの遅れても・・・ 何時間でも遅れていいから 何時間でも待ってるから・・・ ちゃんとゴメンねっていってギュっと抱き締めてくれれば元気になれるから 「あれ?サクラ・・・?!」 知っている声が聞こえた。 頭をもう一度あげると、いのとシカマルがいた。 「いのぉ〜〜〜!!」 「ちょっとサクラ?!」 サクラの変貌にいのは焦った。 |
BACK NEXT |