ドッペルゲンガー?!   3





撃沈する阿部をよそ目に、これからのことに花井は頭が重くなる。

「兎に角、これからどうする?っていうかよるとかどうするんだよ。」
「普通に三橋の家にというのは?」

栄口が言った傍その案はあんまり良くない。
普通に三橋が二人居ることとなるし、第一片方が女の子。
三橋の両親も気が動転するだろう。

「篠岡かモモカンの家に泊めてもらうのは?」


なるほどそれが一番無難だろう。
といっても、監督の百枝は今日はバイトで居なく連絡を取ろうにも繋がらず、
頼みの篠岡は・・・



「・・・どうしよう。今日うちお客さんくるから・・・人を泊めるスペースなくて・・。」


当ては一瞬にして崩れ去った。


「大丈夫だよ花井。俺が二人まとめて責任とってやるから!」


爽やかな笑顔で、阿部は花井に肩を叩いた。
背後にきらびやかな光が見えてるのはもう見ないようにしよう。

「阿部・・・お前いつ復活したんだよ。」

「へ?俺はいつもどおりだぜ?」

「っていうか普通に考えて、お前だけの家にはどう考えたって却下だ。」

「チ・・!」

「舌打ちすんじゃねぇよ。」


花井の胃がそろそろ痛みを主張してくるような時、救いの一言が西広の口から出た。


「篠岡とモモカンが駄目なら、シガポはどうかな?」

「「「「「「「「なるほど!」」」」」」」」

見事阿部以外の声が見事に揃った。


それでは確認しましょう。

「シガポ〜駄目だ!!お子さん今日風邪引いてるから、病人いる時に人つれてこれないって!!」


「・・・最後の最後の頼みの綱が・・・」

花井と栄口ががっくりと肩を落とした。

「あのさ・・」

「何だ?」

巣山が口を開いた。

「年頃の女兄弟のいる人の家に泊めるというのは?もう俺達だけでなんとかするしかないよ・・。」


とう訳で、家族構成報告会です。



「阿部・・という事だ諦めろ。てか、お前の家は女が居ても却下だよ。」

「クソ!!三橋丼の夢が・・・。」

(・・・本当にこいつはキモいな・・)

「田島の家は大家族だしなんてことないよね?」

「おう!きっと可愛がられるぞ!内にはあとインコも犬もハムスターもいるぞ!」


「ええ!!」


レンレンが少し目をキラキラさせた。


ペットがいるのはポイントが高いといったところだろう。


「俺は兄貴と弟だからパス。といっても頼まれても困るな。」

巣山は滅相もないと、自分から断った。

「俺も、姉ちゃん居るけどちょっとね・・。」

沖も戦線離脱。

「じゃ俺もだ、男兄弟だもん俺の家。」
「俺のところは、まだ妹が小さすぎるしじいちゃんもばあちゃんも居るからな。」

泉、続いて西広もリタイヤ。


「俺のところ・・その今、姉ちゃんと弟しかいなくて・・・何もできない。」
「俺のところは姉貴と親がOKなら問題ないぞ。」

栄口は無理といって、水谷はなんとかなりそうな感じ。

「今のところ大丈夫なところは、水谷と俺のところだな。」


「そっか、花井も妹いるし、あのお母さんだから平気か。」


「・・・・100発100中了解もらえそうだよね。あのお母さんなら・・。」

「それを言うな・・。」


でも、実際のところ決めるのは三橋だろう。


「どうする?レンレン?といっても俺か水谷のところぐらいしか無いけど・・。」


「・・・一度家にいってみる。」


レンレンは三橋のシャツをギュっと握った。
本当の双子を見ているような感じだ。


「大丈夫だよ。お母さん、一度、、お、お、・・んなの子欲しいって言って、た、から!」
「うん!!」




「大丈夫かな・・?」


「三橋のオバサンちょっと天然入ってるから大丈夫だろう。」




その日、三橋家は娘が出来たと大いに喜ぶ夫婦の姿があった。
















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